すでに今シーズン限りでの引退を表明しているトヨタ自動車の大神雄子選手にとって、Wリーグのコート上で戦う姿を見られるのもあと2試合しかない。
セミファイナルへ勝ち上がった4チームのキャプテンが揃って行われた記者会見は思いの外、笑顔あふれる楽しいひとときであった。その和やかな空気に乗って、登壇した選手たちに大神選手への思いをうかがってみる。すると、それぞれに大神選手とのエピソードがあった。
本川紗奈生選手(シャンソン化粧品シャンソンVマジック)
小学校のときから…(大神選手のツッコミ「年齢がバレる!笑」)大神さんのことを見ていて、こうしてWリーグに入って、同じ世界でバスケットができていることがまずうれしかったです。
でも、セミファイナルでお互いに勝つか負けるかしたら、その後にまた当たるかもしれません。もし対戦したら、一歩も引かずに大神さんに立ち向かっていけるようにがんばっていきたいです。
髙田真希選手(デンソーアイリス)
高校の大先輩になりますが、自分が中学時代に進路で迷ったときに大神選手から電話をいただいて、桜花学園に決めようと思いました。そのときからすごく刺激をいただいていました。日本代表でも一緒にプレーさせていただき、本当に偉大なる先輩です。また、女子バスケットをずっと引っ張ってくださった先輩でもあります。セミファイナルでは勝敗はもちろんありますが、一緒のコートに立てる喜びをかみしめながらプレーしたいです。
吉田亜沙美選手(JX-ENEOSサンフラワーズ)
(引退は)誰しもが通る道だとは思います。大神選手とはJXのときからツーガードで一緒にプレーしていました。もう40(歳)くらいですか?(大神選手のツッコミ「オイッ!」)
本当に日本のバスケットを広めて大きくしてくださった一人です。残り少ない試合で、大神選手自身が楽しんでバスケしてくれたら良いと思います。
残り2試合に臨む大神選手には、個人的な意気込みを伺った。しかしその答えは、Wリーグではライバルとして、日本代表では仲間としてともに切磋琢磨してきた仲間たちや後輩たちに向けた熱く、温かいメッセージであった。
大神雄子選手(トヨタ自動車アンテロープス)
こうして年齢を重ねると必ず後輩が出てきて、今のアーリーエントリーで入ってくる選手は18歳なので、それこそ15年くらいですか………もっとですね。計算を間違えました(笑)。17〜8歳くらい離れてしまってるので、逆に桜花にいる高校生が生まれた頃からWリーグでプレーしていたわけです。そんな話はチームでもネタになっていじられてます(笑)。
でも、こうして今なおコートに立てているのはそういう後輩たちがいるからです。3人の選手が言ってくれましたが、自分も「最後まで向かって来いよ」という気持ちでコートに立ちたいです。また、これからみんなも必ず通るであろう一番上の世代になったときに、後輩たちに対して「ドンと来いよ」と言えるように、残りのバスケ人生も歩んで欲しいです。
セミファイナルのチケットは3月24日(土)12時より、会場にて当日券発売。
3月24日(土) 丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)
セミファイナル
14:00 デンソー vs トヨタ自動車(NHK-BS1生中継)
16:00 JX-ENEOS vs シャンソン(NHK-BS1生中継)
3月25日(日) 丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)
13:00 3位決定戦
15:00 優勝決定戦(NHK-BS1生中継)
文・写真 泉 誠一