プレーオフに突入したWリーグは秋田でのクォーターファイナルを終え、ファイナル4が出揃った。今週末より舞台を大阪(大阪市中央体育館/※丸善インテックアリーナ大阪)へ移動し、24日(土)はセミファイナル、翌25日(日)にはチャンピオンを決めるファイナルが待っている。
3月24日(土)14:00 セミファイナル
デンソーアイリス(2位)vs トヨタ自動車アンテロープス(3位)
今シーズンともに大きく様変わりをしたデンソーとトヨタ自動車。デンソーは7人の新人を迎え、キャプテンの髙田真希選手も「新しいチームと言っても良い」状況でありながらも勝利を重ねて2位通過。対するトヨタ自動車は長岡萌映子選手、三好南穂選手、馬瓜エブリン選手という日本代表経験者たちが移籍で加入し、パワーアップ。
レギュラーシーズンの成績はともに26勝7敗だが、直接対決は2勝1敗でデンソーが勝ち越している。トヨタ自動車が81-78で1勝を挙げた試合は延長戦までもつれ込み、いずれも僅差の試合が続いた。
一発勝負となった今シーズンのプレーオフに対し、トヨタ自動車の大神雄子キャプテンは「選手としては、そこまではやることは変わりなく(プレーオフに)入れている気はしています」と普段通りの力を出せている。一方、追われる立場となった髙田キャプテンは「一発勝負は緊張感があり、相手の雰囲気も違うものを感じました」。
フィールドゴール成功率は48%:35.7%、リバウンド数も120本:117本、アシスト数に至っては62本:40本と直接対決の主要なスタッツはデンソーが上回っている。だが、若いチームゆえに経験不足が不安要素と言える。平均15.9本のターンオーバーだが、トヨタ自動車戦は20本とミスが目立つ。実質、プレーオフを経験しているのは髙田選手の他に、赤穂さくら選手と伊集南選手の3人のみ。ポイントガードの稲井桃子選手は、昨シーズンのプレーオフに出場したが、出場時間は平均約6.5分だった。髙田選手曰く、「彼女が強い気持ちで引っ張ってくれれば良いバスケットができる」と期待するその稲井選手がプレーオフを勝ち抜くキープレーヤーであり、シンデレラ候補だ。
大神選手は期待のチームメイトとして、ジャンクSPORTSに出演し、「こんなおもしろい人がいるんだということを知ってもらった」馬瓜姉妹を挙げた。クォーターファイナルでの三菱電機コアラーズ戦で姉・エブリンは16点、ルーキーの妹・ステファニーも8点/8リバウンドの活躍を見せ、姉妹揃って勝利に貢献している。
トヨタ自動車は引退を表明している大神選手を最高の形で送り出すために自ずとモチベーションは高い。デンソーは年始の皇后杯ですでに準優勝し、そこからレギュラーシーズンを2位通過できたことが若いチームにとっては自信になっている。拮抗する両チームの戦いは全く予想がつかない。
3月24日(土) 丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)
セミファイナル
14:00 デンソー vs トヨタ自動車(NHK-BS1生中継)
16:00 JX-ENEOS vs シャンソン(NHK-BS1生中継)
3月25日(日) 丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)
13:00 3位決定戦
15:00 優勝決定戦(NHK-BS1生中継)
文・写真 泉 誠一