12月8日(金)に行われた東京羽田ヴィッキーズのホームゲームで、瀨﨑理奈選手は今シーズン初となる先発出場を任された。2014-15シーズンから数え、今年で4シーズン目。秋元千那実選手、本橋菜子選手、高木優里選手、柳瀬さつき選手とともにまっさらなコートに登場した瀨﨑選手だが、「スタメンの中では一番年が上」と言うから驚かされる。
ルーキーシーズンから度重なるケガに悩まされ、ここからという時に幾度も戦列を離れなければならなかった。一番多い30試合中21試合に出場したのがルーキーシーズン。その後は15試合前後と安定せず。プレーオフ初進出を果たした昨シーズンもJX-ENEOSサンフラワーズとのクォーターファイナル初戦のみ、9分間しか出場できずに終わっている。
歴然とした差がある以上、チーム力で対抗することが先決
今シーズンはコンスタントに出場し、15戦目の山梨クィーンビーズ戦で先発を任された。元気に走り回り、強気で3Pシュートを決めていく瀨﨑選手は、「今シーズンはケガがない分、もっと出たい」とさらなる意欲を見せている。
「コートに出たときにはしっかり自分の仕事をすること。3Pシュートを決めて、ちょっとでもお客さんに良い印象を残したい」
2連勝した山梨戦はその言葉どおりの活躍を見せ、しっかりとファンに存在感を示して盛り上げていた。
オールスターブレイク前の前半戦を終え、オフェンス面では「丹羽(裕美)さんは本当に強いセンターだと思います。そこを生かしていくことも大事ですが、逆にそこだけに頼らずに周りもしっかり攻めていかなければいけません。もともと得点力がないのが羽田です。(山梨との2戦目のように)3Pシュートやジャンプシュートなどみんなが当たっていたので前半は良かったですが、そういうまぐれなシュートではなく、オフェンスを作って相手のディフェンスを崩して決められるようになれるようにしたいです。そうしなければ、上位チームとは戦えない」と課題は明確である。
一方のディフェンスに関しても「まだまだです」とこちらもレベルアップが必要だ。「私たちのような弱いチームはリバウンドやルーズボールを1本1本積み重ねていかないと戦えません。そのことを本当に一人ひとりが理解し、意識を高く持って取り組むことで少しずつ上位チームにもついていけるようになると思います」と言う瀨﨑選手は、女子U19日本代表や女子ユニバーシアード日本代表で世界と戦ってきた経験を引き合いに出した。
「ただガムシャラにやるとか、一生懸命だけでは追いつけない部分として身長や能力の差があります。やっぱりチームとして戦い、コートに立つ5人の総合力でがんばらないといけません。1on1では上位チームに適わないことは分かってます。Wリーグでも上位チームと力の差がある中でどう戦っていくかは、1年目からずっと考えながらやっています」
現在4勝12敗、12チーム9位。8位の日立ハイテククーガーズとの差は2ゲーム。プレーオフに出場できるのは8位まで。レギュラーシーズンは33試合あり、まだまだ17試合ある。勝利を積み重ねるために努力し、チャレンジするのみである。
ホーム開催のオールスターはMVPの予感!?
今週末12月16日(土)に行われる「Wリーグ 三井不動産オールスター 2017-18 in TOKYO」(BS-TBSにて生中継)。瀨﨑選手は、リーグ推薦でチームEASTに丹羽選手とともに選出されている。
「そんな深く考えずにいろんな選手と一緒にできることはやっぱりうれしいですし、ありがたいことです。周りの選手たちを生かしながら、自分をアピールしたいです。3Pシュートを決められたら良いな」
夢舞台の会場は、ホームエリアにある大田区総合体育館。3年前に復活したオールスターでは、多くの日本代表選手を差し置いて、開催地となった地元・新潟アルビレックスBBラビッツの出岐奏選手がMVPに輝いた。同じく、ホームでの熱いファンの声援を受ける瀨﨑選手や丹羽選手が主役になることで、オールスターはさらに盛り上がりを見せることだろう。
次号フリーペーパーVol.16では瀨﨑選手が女子バスケの魅力を熱く語っていただいているので、お楽しみに!
羽田ヴィッキーズ
Wリーグ 三井不動産オールスター 2017-18 in TOKYO
文・写真 泉 誠一