過去3回のU15 WOMEN’S CSで連戦連敗だった越谷に、待望の瞬間が訪れる。今大会初戦の福島戦で56-54の逆転勝利。順位決定リーグでもレバンガ北海道U15女子に23点差をつける快勝で、今大会は2勝。その躍進を高く評価した大会本部は、選手個人を表彰対象に想定していたMIPを越谷に贈ることを決めた。大会初勝利の瞬間について「内容があまり良くなかったので、嬉しいというより、このチームをどういうふうにもっていくか、この先にどういう可能性があるかなということしか考えなかった」と冷静に振り返っていた小磯HCも、このMIP受賞に関しては選手たちよりも喜んでいた。

振り返れば、2023年2月のチーム創設からわずか1カ月後にエントリーしたU15 WOMEN’S CSの第1回は、ユニフォームもまだなかった上、メンバーの大多数を小学5・6年生が占めていた。あれから3年、当時の6年生は中学3年生になった。「ちゃんと成長させることができたと思って安心しました」と小磯HCは胸をなで下ろし、チーム作りの未来もより視界が開けてきている。
「これはずっと変わらないんですけど、みんなが応援したくなるチーム、愛されるチーム、かつ勝てるチームを目指してます。上手い人を集めてきて勝つというのは誰でもできるじゃないですか。そうじゃなくて地域の子たちを集めて、努力すればこれだけ変われる、勝てるっていう両方を実現するのが私の夢。Bリーグのユースだから選手が集まりやすいというのはあるかもしれないですけど、だとしても来てくれた子をちゃんと育てるのが私の仕事ですね」
今後に関しては、楽しみにしていることがもう一つある。
スクールを運営していた頃、帰宅が遅くなることから一人娘の柚樹を仕事場に連れ立っていた中で、本人はバスケットを「やらない」と言っていたという。越谷でコーチとなってからは家に置いて遠征に行くこともできないため、柚樹もチームに入らざるを得なくなったのだが、3年が経った今は「だんだん体も出来てきたし、バスケやるのが楽しいってようやく言い出したところなんです」(小磯HC)。

我が子を特別扱いすることなく指導してきた中、中学校生活最後となる今大会の3日間で、小磯HCは「娘がいることでものすごいストレスだったんだけど、でも彼女からものすごいエネルギーも貰ってたんだなって思いましたね」とその存在の大きさを改めて実感。高校進学後は、バスケットの指導に関しては自身の手から離れることになるが、「高校の先生にお任せしてここからどうなるか、今度はもう本当に楽しんで見られると思います。たとえダメになったとしても、っていう腹もくくってます」とその成長を見守っていく。はたして、小磯HCのバスケットストーリーはどのような道のりを辿るだろうか。
文・写真 吉川哲彦











