野口さくら(アイシン)に関して言うと、筆者は当初ベストトランスファーの候補に挙げた。最終的に今回は選考委員側の事情でベストトランスファーの表彰を見送ることになり、ベスト5の候補にも挙がっていたことでこちらに落ち着いた次第だ。いずれにしても、野口がアイシンで大黒柱となったことは事実。ちょっと1人で背負いすぎてしまっているのではないかと思うくらい、野口はエースとしての責任感をほとばしらせていた。あどけなかった表情も、だいぶ大人びてきた気がする。
そして最後は宮崎早織(ENEOS)。本家では2022-23シーズンにプレーオフで、2020-21シーズンにはレギュラーシーズンとプレーオフの両方でベスト5を受賞しており、実績という点では他の4人を上回る。ただ、2023-24シーズンは野口と同様にフロアリーダーの風格が備わった感があり、それでいて従来の天真爛漫な振る舞いも失われていない。既に何度か脱皮してきた選手に、むける皮がまだまだあったという印象だ。「ENEOSから1人選ぶなら宮崎だ」というのは、今回の筆者の最大のゴリ押しポイントと言っていい。
こうしてほぼ筆者が選んだに等しい結果となったわけで、公平性も何もあったもんじゃないなとは思うが、人選に関しては自信を持っている。過去のBBS AWARD では東藤とウチェがベスト5に選ばれたことはあるが、どうやら他の3人は初受賞らしい。何度も言うが、BBS AWARD は本家で選ばれた選手は対象外。5人ともBBS AWARD ベスト5は今回で卒業し、来シーズン以降はぜひ対象外になっていただきたい。
文 吉川哲彦
写真 W LEAGUE
「Basketball Spirits AWARD(BBS AWARD)」は、対象シーズンのバスケットボールシーンを振り返り、バスケットボールスピリッツ編集部とライター陣がまったくの私見と独断、その場のノリと勢いで選出し、表彰しています。選出に当たっては「受賞者が他部門と被らない」ことがルール。できるだけたくさんの選手を表彰してあげたいからなのですが、まあガチガチの賞ではないので肩の力を抜いて「今年、この選手は輝いてたよね」くらいの気持ちで見守ってください。
※選手・関係者の所属は2023-24シーズンに準ずる。