日本を代表するスタープレイヤーであり、アジア屈指のディフェンダーでもあるJX-ENEOS#12吉田亜沙美選手と、昨シーズンのWリーグ新人王にしてトップクラスのスコアリングガードに急成長を遂げたデンソー#13伊集南選手とのマッチアップ。バスケットボールはもちろんチームで戦うスポーツだが、ときに個人対個人で勝負する局面も存在する。ゆえに“マッチアップ”が注目されるわけだ。
吉田選手は抜群の人気を誇るバスケットボール界のスーパースター。対する伊集選手は昨シーズン、ルーキーながらデンソーのスーパーサブとしてチームの起爆剤的な役割を背負い、期待に応え見事な活躍を見せたライジングスター。
ケガから復帰したばかりで本調子ではない吉田選手に対し、数字だけを見れば伊集選手に軍配が上がったかのように見える。しかし、チームを勝利に導いたのは吉田選手だった。第4Pの連続ジャンパーが、怒濤の連続得点の狼煙となったことでも、その存在の大きさは際立った。
伊集選手が真のトッププレイヤーになれるかどうかは、チームに優勝をもたらす働きができるかどうか──勝負どころでのディフェンス、ここ一番でのシュートの精度、1プレイで相手に大きなダメージを与える──にかかっているのかも知れない。
実はこの写真の構図は脳裏に焼き付いている。かつて見た、有名なバスケットボールフォト(若き日のマイケル・ジョーダンとアレン・アイヴァーソンがマッチアップしている写真)に似ていると直感した。この一枚は“レジェンドvsライジングスターのマッチアップ”へのオマージュであり、ALL JAPANのFINALという舞台で撮れたことを“神”に感謝したいと思う。
Photo & Text by Munehiko Yoshida