── 何か勝負をするんですか?
渡嘉敷 いや、日本に帰ってきたときに「自分のほうが入っているぞ」って上から言いたいだけです(笑)。宮澤も1年間で3番ができるようになったので、自分もこの4か月間でアウトサイドのシュートを覚えてやるぞっていう、勝手なライバル心ですね。
── キャンプでは日本とは異なるレベルの選手との競争になって、そのなかでそうした未知のプレイを出さなければいけないわけですが。
渡嘉敷 特に心配はしていないです。バスケット面で自分ができないことはないって思っていますから。もちろん「すごいな」って思うことはあると思うんですけど、だからといってひるむんじゃなくて、じゃあ、自分もやってやろうって思うタイプなので心配はしてないです。
── 桜花学園の井上(眞一)先生からは何と言われましたか?
渡嘉敷 (井上先生の口調を真似て)「おお、頑張って来い」って(笑)。でも本当に頑張ってほしいって言われました。日本を代表して行くわけですから、日本人でもできるってしっかり見せたいです。
── 大神(雄子)選手からのアドバイスは受けましたか?
渡嘉敷 シンさん(大神のコートネーム)もいろいろ聞きました。なかでも、シンさんはポイントガード(PG)としてしゃべられなければいけないっていう立場がありましたけど、自分はそれとは関係なくコミュニケーションを積極的にしていけたらなって考えています。そういう面でのアドバイスもいただいたし、自分もこの(明るい)キャラを全開に出していこうかなって考えています。ノリと勢いだけはアメリカ人と同じだと思っているので大丈夫かなって思っています。
── シアトル・ストームのホームページに名前が出ていて、背番号が「7」ですけど、それを選んだ理由は?
渡嘉敷 何だと思います(笑)? まず(自分が日本でつけていた)10番はスー・バードさん(アメリカを代表するPG)がつけている。次に自分は数字の1と3が好きなんですけど、それも埋まっている。じゃあ高校のとき15番だったので15番も考えましたけど、(以前在籍していた、オーストラリア代表のエースセンター)ローレン・ジャクソンの後にはつけられない(笑)。8もいい数字だと思ったけど、埋まっています。そうなったときに「7はラッキーセブンじゃん!」って…ただそれだけなんです。何か理由があったほうがいいじゃないですか? 6だったら「なんで6なの?」って聞かれたときに答えが出てこないから。最初「39」もいいかなと思ったんですよ、「サン・キュウ(=Thank you)」で。でもそれがわかるのは日本人だけじゃないですか(笑)。向こうの人は「3」を「さん」って読まないから。だから「ラッキーセブン」の「7」にしようかなと。
── 渡嘉敷選手が7番をつけるのは新鮮ですね。
渡嘉敷 新鮮です。今後アメリカに行き続けることになったら、たとえ10番が空いていても7番をつけ続けたいなって考えています。やはりここが始まりなので。日本の10番といえば渡嘉敷だと少しずつ認識されるようになってきているので、アメリカの7は渡嘉敷…とはならないと思いますけど、「シアトル・ストームの7は渡嘉敷」って、出だしから印象付けられたらなって思います。