今年の新人戦はスーパールーキーを擁する筑波大が優勝。
6月に行われた関東大学バスケットボール新人戦で10年ぶり9回目の優勝を果たした筑波大。22日の決勝戦では、この大会3連覇を狙う東海大を相手に出だしからリードを奪い1度も逆転を許すことなく69-57で快勝した。
MVPとも言える新人王に輝いたのは筑波大1年生の馬場雄大選手。かつて日本代表メンバーとして活躍した父・馬場敏春さん(法政大→三井生命)が監督を務める富山第一高校在学中から「高いポテンシャルと秀でたバスケットセンスを持つ逸材」として注目されていたスーパールーキーだ。
東海大には春のトーナメント(関東大学選手権)の決勝戦で敗れたこともあり「そのリベンジを果たしたい」という気持ちで臨んだ一戦は36分半出場して19得点、9リバウンドの活躍。中でも圧巻だったのは、4Q9分、東海大が速攻からダンクに持ち込んだ1本を渾身のブロックではね返した場面だ。「ファウルではないか」と抗議した東海大がベンチテクニカルを取られこともあり、東海大に傾きかけていた流れは再び筑波大へと進路を変えた。「正直、判定は微妙でしたが、あの速攻に追いつきブロックに跳んだ馬場君はすごかった。やはりただ者じゃないですね」(東海大・陸川監督)
また、筑波大には馬場と同様将来を嘱望されるルーキー杉浦佑成(福大大濠高校卒)がおり、足の故障で万全ではなかったというものの14得点、11リバウンドをマーク。「高校のとき、自分たちは早く負けてしまったので、テレビの画面や観客席からいつも佑成を見てて、こいつすごいなぁと思っていました。今、同じコートで練習していて毎日刺激を受ける存在になっています」(馬場)。今回2年生としてチームを牽引し、精度の高いアウトサイドシュートで優勝に貢献した満田丈太郎も「突出した力を持つルーキーが入ってきたことで、チーム全体がアグレッシブになってきました。(先輩として)負けてはいられないし、求められているものをより追求していきたい。そういった意味で自分を含め、みんなの意識が変わってきたように思います」と、今年のチームに手ごたえを感じているようだ。
新人王受賞について「先輩が好きなように気持ち良くプレイさせてくれたおかげ」と語った馬場は、続けて「でも、今後の課題も沢山見つかりました。個人的にはここが目標ではなく、将来は海外でプレイしたいという夢もあるので、ドリブルもハンドリングも外のシュートもこれからいろいろ身に付けていかなければならない。まだ、自分の(大学での)バスケット生活は始まったばかりなので、まずはチームに貢献できるよう、夢に向かって行けるようこれからも頑張っていきたいです」と、笑顔を見せた。
ここ数年、青山学院大と東海大のツートップにやや水を開けられてきた感がある大学バスケット界だが、どのチームにも意地がある。この新人戦で2強を連破した筑波大がその戦力図を塗り替える存在となるのか。今からもう秋のリーグ戦が楽しみになってきた。
そして、今週末、7月5日、6日には関東大学バスケットボール連盟90周年を記念した三菱電機カップが開催され、日本学生選抜チームがカナダのビクトリア大学と対戦する。
馬場、杉浦も選抜メンバーとして参戦。大学界トップクラスの先輩たちに混じりどんなプレイを見せてくれるか、こちらの方も楽しみだ。お時間が許す方はぜひ代々木第二体育館に足を運び、日本バスケットの将来の担い手である大学生たちに熱い声援を送っていただきたい。
三菱電機カップ関東大学バスケットボール連盟創立90周年記念試合
7月5日(土) @国立代々木競技場第二体育館
10:00 5部オールスター戦
13:00 日本学生選抜vsビクトリア大学
7月6日(日) @国立代々木競技場第二体育館
10:00 3・4部オールスター戦
13:00 日本学生選抜vsビクトリア大学(BSフジ生中継)
チケットや詳細に関しては、関東大学バスケットボール連盟オフィシャルサイトにて。
松原貴実