プレイ中の表情はクールだが、韓流スターのような甘いマスクを持つ成田 正弘選手。試合中に垣間見せる笑顔は、世の女性たちをトリコにしているかも知れない。ゆえに、世の男たちにとっては宿敵でもある。笑
しかし、いつも楽しそうな成田選手のプレイは、見ているこちらも楽しくさせてくれる。オフェンス重視の拓殖大学だからこそ、バスケの楽しさは分かりやすい。しかし、今年の関東大学リーグ戦は成田選手自身もケガに見舞われ、エースのジョフ・バンバ選手も欠いた状態での戦いを余儀なくされ、昨年の3位から7位まで順位を下げた。学生バスケ最終章を楽しそうにプレイしている成田選手に、現在の状況を伺った。
ー 成田選手やジョフ・バンバ選手をケガで欠く試合が続き、拓殖大学としてはきついリーグ戦となってしまいましたが?
僕が初戦でケガをして戦列を離れてしまい、バンバ一人に無理をさせたことでケガにつながってしまいました。でも、そこからチームが一つになることができました。勝ち負けはありましたが、バンバがいなくても戦えるというところを他の大学チームやファンの方にもしっかり見せることはできたと思っています。これからインカレまで自分たちのやれることをしっかり準備していきたいです。
ー 最終戦となった筑波大学戦は74-100で敗れましたが、外角シュートが当たれば拓殖大学らしい強さが垣間見られていました。
入る入らないは別として、みんなが気持ちよくシュートを打って、みんなでディフェンスすることが良い結果につながっていきます。自分たちのバスケットを最後まで貫くことが大切だと思っています。
ー インカレ常連の拓殖大学におけるリーグ戦はどういう位置づけとして戦っていましたか?
インカレで優勝することを狙っていますし、そのためにもトーナメントでより良いポジションを取らなければならず、このリーグ戦は大事でした。やっぱりリーグ戦で優勝すれば良いポジションを勝ち獲れますし、そのためにも少しでも順位を上げておくことが必要です。バンバがケガしたことで一番上のポジションを狙うのが厳しくなりましたが、それでもインカレ優勝を目指して僕らや池内さんが考えながらリーグ戦は取り組んでいました。
ー この結果により、優勝した筑波大学と同じ山に入るわけですが、バンバ選手が戻ってきて万全な状態となり、シュートが当たれば番狂わせも可能なのでは?
同じ大学生ですし、最終週で東海が16点差で筑波に勝っています(東海73-57筑波)。最後の筑波戦では僕らもシュートが入っていたし、インカレでもそのシュートで引き離すことができれば、勝機はあると思っています。
ー 1年生の頃から自然体でバスケをしているイメージがあり、他の4年生と比較をしても良い意味でプレッシャーなく変わらないように見えます。最上級生になったことで、何か変化はありましたか?
変わったことですか?全然ないですね。4年間本当に楽しくバスケさせてもらっています。チームを引っ張っているかと言われれば、ただプレイを楽しんでいるだけですし、それがみんなにプラスに浸透しているのかなと思ってます。
ー 外から見ていて、もう少ししっかりしても良いのではと不安に思うところも?笑
負けて落ち込んでいても気持ちが上がってこないし、良いプレイにつながらないじゃないですか。負けてる時こそ笑うっていうのは見ている人からしたらあまり良くないことですが、やっぱり少しでもポジティブになるように周りを刺激して良いプレイにつなげていきたいと思ってます。
ー ものは言い様ですね。
はい。笑
ー インカレでしっかり勝ち上がり、Bリーグと戦える舞台であるオールジャパンまでさらに成長して欲しいですが、やるべきことは?
オールジャパンに出て、自分の力がどれくらいで、どのレベルにあるのかを確かめたいです。前回は2回戦で西宮ストークスと対戦しましたが、全然通用しませんでした(●78-101/成田選手:6点)。まだまだ力が足りないと思いました。でも、ユニバーシアード日本代表などで今年もいろいろ国際経験を積ませてもらいましたし、オールジャパンはどこまで通用するかを試すことができる本当に良い機会です。そのためにもインカレではベスト8以上に入れるようにしたいです。
大学日本一を決める第68回全日本大学バスケットボール選手権大会は、11月21日(月)〜27日(日)まで、代々木第二体育館をはじめ東京都内で開催される。すでに組み合わせは発表されており、詳細は全日本バスケットボール連盟オフィシャルサイトにて。
また、インカレでベスト8に入ったチームが、年明けに行われるオールジャパン(天皇杯)への出場権が与えられる。
文/写真・泉 誠一