着任1年目にして、母校はウインターカップ出場を果たした。12月24日の1回戦で快勝を収めると、翌日は大会4度の優勝を誇る強豪・仙台大明成と激突。第1クォーターこそ22-28と食らいつくことができたが、その後はボールと脚を動かし続ける相手に徐々に引き離されていき、最後は64-97と大差で敗れる結果となった。ただ、上江田ACは決して悲観的になることなく、前向きに受け止めている。
「立ち上がりは耐えることができてイーブンでスタートしたんですけど、第2クォーターで相手を乗せてしまって、後半もそれを引きずる形になってしまったかなと思います。チームはここまですごく良い状態で来ていたので、県予選のときよりも良いバスケットはできたと思いますし、リバウンドと切り替えの早いところをもっと上手くやれていれば、もっと良いゲームができたんじゃないかと思います」

興南高自体が8年ぶりのウインターカップ出場で、もちろん選手たちは全員が初めてこの舞台に立った。ここにたどり着いたことが一つの成果であり、大きな一歩。日に日に成長していく選手たちのポテンシャルの大きさを、上江田ACはひしひしと感じているところだ。
「まだまだ荒削りですけど、可能性があるチームだと思ってます。県予選のときとはまた違った良いチームになったと思いますし、こういう全国の経験を積んでいけばさらに良くなる可能性を秘めてると思います」
選手たちだけではなく、コーチになって間もない上江田AC自身もこれから経験値を高めていかなければならない。選手同士の間であればピンポイントの指摘で済んでも、コーチという立場になると広い視野を持ち、多くのことに気を配る必要がある。その難しさは上江田ACも自覚しており、「一つずつのポイントでは見られるんですけど、全体を通してとなるとまだなかなか見られないところがある。もっと客観的に、俯瞰で見られるような感覚を養っていきたい」と明確に今後を見据える。

コーチとしてのキャリアはまだスタートして間もない段階だが、早くもウインターカップという大舞台に立てたことは良い経験。難しさ以上に喜びもある指導者の醍醐味を味わいながら、母校のために、地元の若い世代のために、そしてバスケット界のために、上江田ACは長い道のりを歩んでいく。
「またこの全国という舞台に戻ってきて、自分が教えてる生徒たちが他の高校生と対戦して、いろんな経験を積んで、人としても成長して今後の人生に生かしていけるような選手をどんどん育てていきたいと思ってます。その中から、プロの選手が母校の興南高校から出てくれると嬉しい限りです。みんな成長が目に見えてわかるので、それは指導しててすごく楽しいですね」
文・写真 吉川哲彦











