「GMをやってるからこっちで手を抜いてしまうのも、その逆もなく、スケジュールをしっかり分けてやれてると思います。高校生ともちゃんと向き合ってるつもりですし、難しいかどうかというより、とにかく両方とも全力でという気持ちです。どっちも責任の重い仕事ですけど、あまりしんどいとは思わないですし、やりたくてもやれない人もいる。やりがいしかないので、すごく感謝してます」
コーチとしての経験が豊富というわけではなく、チームの先頭に立って率いるのも初めてのこと。若い世代の指導は特に難しく、今野コーチも「高校生は小中学生と違って大人の入り口で、考えることも増えてくるし、自立した考えを持つ子もいるので、声をかけるのもアプローチの仕方を考えないといけない」とその難しさは感じているようで、ウインターカップ出場は選手たちが自らの手で勝ち取ったものだと強調する。

「コーチにお尻を叩かれてやるのではなく、プレーするのは自分たちという自主性と主体性を持って意識高くやろうというところで、僕にとって難しいかどうかの前に、今のチームはしっかりやってくれてるなと思います。僕がヘッドコーチになるという大きな変化があったにもかかわらず大阪で優勝できたのは、そこがポイントだったと思います」
高校の指導に深く携わるからには、やはり成果を求めていきたいもの。「指導者になるとも思ってなかったし、GMになるとも思ってなかったですけど、必要とされた所で全力でやりたいというのは変わらない」と語る今野コーチは、高校生のバスケットに賭ける想いに触れたことで、単にスキルや戦術を伝授するにとどまらず、彼らの将来とも真摯に向き合う決意を強くした。
「プロを目指してる子もいるので、その気持ちを少しでもサポートしてあげられるような指導をしたいと思います。そうでない子もいるかもしれないけど、高校バスケは青春真っ只中でめちゃめちゃ熱いなと思いましたし、僕が思ってた以上に熱量を持ってると感じたので、今回の負けをきっかけにもっともっと彼らに寄り添っていかないといけないと思いました」
大阪に生まれ、高校・大学も大阪府内を選び、プロ選手生活15年のうち12年をエヴェッサで過ごした今野コーチ。今の立場も相まって、「やっぱり大阪のバスケットを盛り上げたい」という気持ちは改めて強くなっているところだ。

「まずはトップのエヴェッサが強くないと面白くないし、子どもたちも憧れを持たないと思うんです。大阪の子も、たとえば琉球ゴールデンキングスに憧れてる子も現状ではいると思うんですけど、そうなったらあかんなと思ってるので、エヴェッサの経営陣ともしっかり連携を取って、試行錯誤しながら少しずつ壁を砕いていこうと思います」
自身の選手としての経験も、GMとして今のプロ選手を間近に見ていることも、高校での指導に生かせるものは多いだろう。逆に、高校での指導がGMとしての知見を広げることにもつながるはずだ。二刀流の今野コーチの取り組みは、大阪のバスケット界に何かしらの影響を与えていきそうだ。
文・写真 吉川哲彦











