ウインターカップ2024女子は京都精華学園高の優勝で幕を閉じた。京都精華学園はこれで大会3連覇となり、インターハイ・日清食品U18トップリーグと合わせると8冠ということになる。毎年のように優勝候補と目される桜花学園高や岐阜女子高がベスト8で姿を消し、決勝を戦った慶誠高(熊本)のような新興勢力も台頭してきた中で勝ち進んできたこの結果は、黄金時代到来の予感も漂わせるものだ。
京都精華学園が他校と大きく異なるのは、中高一貫で強化している点だ。8冠を経験した3年生の主軸、林咲良や橋本芽依、ユサフ ボランレ アイシャットといった面々も中学から京都精華学園の一員となり、阿吽の呼吸を培ってきたその年月は6年に及ぶ。裏を返せば、そこに高校から入学してきた選手を迎え入れ、チームに溶け込ませることには何かしらの難しさもあるに違いないのだが、それがうまくいっているからこそ、今の京都精華学園の強さがある。
1年生ながら主力の一角を担っている満生小珀は、そんな京都精華学園の強さを象徴する選手と言ってもいいだろう。中学まで埼玉で過ごした満生は内部進学ではなく、高校入学組。ベンチスタートではあるが、準々決勝では25分38秒に出場して12得点を挙げ、粘る鵬学園高(石川)を3点差で振り切る勝利に大きく貢献している。決勝も17分15秒の出場で、得点は5点にとどまったものの、6リバウンドは留学生の2人に次ぐ数字。チームに欠かせない戦力であることは十分に証明した。
試合後の優勝校記者会見は慣例通り、コーチの他にスターターの5人が登壇したが、会見後の囲み取材ではメディアからのリクエストで2選手が追加。そのうちの1人が満生だった。その囲み取材では第一声で「初のウインターカップで、3年生と一緒に優勝できてめっちゃ嬉しいです」と顔をほころばせたが、個人としては成長の余白を感じているところでもある。
「自分はディフェンスもオフェンスもまだまだだと思うんですけど、ルーズボールとかリバウンドを泥臭く、チームで守れたと思います。得点も少しずつ取れてきてるんですけど、もっと正しい判断ができるようにしたいというのが今の課題で、ドライブにいった後のフィニッシュもちゃんと決められるようにしたいです」
物怖じしない堂々としたプレーぶりがスーパールーキーたる所以だが、本人は「試合は結構緊張する」と明かし、「『ガンガンやっていいよ』って言ってくれるし、いつも優しく声をかけてくれます」と3年生に助けられているという。そもそも、入学のきっかけは昨年度のJr.ウインターカップで京都精華学園中と対戦したこと。練習に参加した際にチームの雰囲気の良さから入学を決断したという経緯もあり、内部進学者が多い中、チームにもすんなり馴染むことができたとのことだ。
「外部から入るのはやりづらいかなって最初は思ったんですけど、みんなフレンドリーに接してくれるし、先輩もすごく優しいので、全然外部から来た感じがしなくて、一緒に楽しくバスケできてます」