2メートルの2人の次に大きい190cmの中嶋が、アウトサイドプレーが得意な小澤をマークしつつ、リバウンドにも入らなければならない。インサイドにボールが入れば、オコエやニャンとともにゴールを守る。「相手の留学生もすごい身長が高く、手も長い選手たちなのでみんなでフォローして、みんなで走って、みんなでバスケットすることを意識していました」と広い守備力でチームを勢いづける。ゴールを背負う中嶋だからこそ、「よく見えるポジションにいるので自分が声を出して、みんなが少しでもプレーしやすいような環境ができれば良いと思っていました」と声を張り、ベスト4進出に大きく貢献した。
関東勢に2連勝し、準々決勝の壁を打ち破った快挙に「正直な感想は驚き」と中嶋は言う。さらなる正直な心境として、「もちろん勝とうとはしていましたけど、本当に勝てるとは思っていなかったです。でも、練習してきたことが全部うまくつながって、最後は勝ちにつながったのですごくうれしいです」と笑顔を見せた。この強さも、東海地区での悔しさが原動力となった。
「今年最初のトーナメントでは中京大学に決勝で負け、良いチームになってきたなとは思っていたんですけど西日本大会で3位。でも、秋のリーグ戦で優勝し、その後の1ヶ月間でチームがひとつになってきたと感じていました」
中央大学戦では3ポイントシュート9本を決め、29点を叩き出した中山と、日本体育大学戦のスコアリーダー永野のダブルエース。オコエとニャンはプレースタイルが異なるビッグマン。2年生の #34 髙木来希は、これまでの3戦すべてで二桁得点を挙げている。次の日本大学にも大学バスケ界屈指のビッグマン #12 コンゴロー デイビッドがおり、ケガから完全復帰した #3 米須玲音をはじめ、充実したタレントを誇る。相手に的を絞らせることなく、チームバスケに徹する名古屋学院大学が勝機を見出せるか!?
今年のインカレへ向け、名古屋学院大学が掲げた目標はベスト4。すでに達成した今は、「もう1位しか見ていないです」と中嶋は目標を上方修正する。注目度も高まっているが、中嶋は脇目も触れずにただ突っ走って行く。試合中に切った唇を押さえながら、名古屋学院大学のチーム力の源を明かしてくれた。
「全学年が仲良くてしゃべりやすいし、コート上以外でも一緒にいる時間が多いので、すごく良いチームだなと思います。ただバスケが好きで、本当に楽しいから続けているだけです」
文・写真 泉誠一