4度の延長にもつれ込む熱戦を制した白鷗大学が2連覇を飾り、先に女子トーナメントを終えた。男子ファイナル4は今週末(12月14日・15日)、オープンハウスアリーナ太田でクライマックスを迎える。準決勝のカードは同じく2連覇を狙う白鷗大学 vs 東海大学、日本大学 vs 初の4強入りを果たした名古屋学院大学。関東勢以外が準決勝へ臨むのは2012年の近畿大学以来、東海地区代表としては2000年の愛知学泉大学に次ぐ、24ぶりの快挙だ。
竹之下秀樹監督は、「関東のチームに勝つことは並大抵ではない。約40年コーチをしているが、この結果はまわりのみんなに夢を与えられるのではないか。そんなにすごい選手が集まっているわけでもないが、関東1位の4角のシード校を喰うためにチャレンジした選手たちが偉い。お客さんが来てくださって、皆さんに見ていただいて、やっぱり良いチームだなと思っていただけるのが1番の望み。地方の選手でも、チームでもがんばる姿をみんなに見せられた」と胸を張った。
トーナメント1回戦から登場した名古屋学院大学は、八戸学院大学を121-61の60点差のダブルスコアで撃破。続く2回戦から関東勢との対戦が続く。中央大学もディフェンス良く61点に抑え、88点を奪って上回り、ベスト8進出。準々決勝の相手は関東1位、第1シードの日本体育大学。互いにハイペースでスコアする前半を終え、48-47と名古屋学院大学が1点リード。竹之下監督が各クォーター20点ずつ積み上げるプランどおりの試合展開だった。しかし第4クォーターは39点、予想の倍となる得点を重ね、105-87で優勝候補を圧倒する。昨シーズン、新潟アルビレックスBBの特別指定選手としてB2でプレーした #14 永野威旺は、3ポイントシュートを7/13本の高確率で沈め、31点の大活躍。もう一人のシューター #21 中山玄己と3年生パワーフォワードの #6 中嶋正尭がともに18点で続き、二桁得点は5人を数える。
「みんなでフォローして、みんなで走って、みんなでバスケットすることを意識していました」中嶋正尭
爆発的なオフェンス力で勝ち進む名古屋学院大学だが、「実はディフェンスができるようになったことが大きい」と竹之下監督は勝因を挙げた。日本体育大学の2年生エース・小澤飛悠のマークを任されたのは、中嶋だった。「日体大の中心選手であることも分かっていたので、ハードにディフェンスをして相手に好きに攻めさせないことを意識していました」と23点を許したが、勢いづかせる働きを阻止する。エースとのマッチアップだけでも神経をすり減らせるはずだが、まわりもよく見ていた。名古屋学院大学は #9 オコエ ピーター ジュニアと #30 ニャン アマドゥ マクターの2メートルを備えている。「ジャンピ君(ムトンボ ジャンピエール)やコネ(ボウゴウジィ ディット ハメード)君とは身長では対等だが、実力的にはイーブンもしくは違うところで勝てなければいけない。ボックスアウトをしっかりしてくれる留学生なので、そこで助かった」と竹之下監督は述べ、チームプレーに徹するビッグマンが名古屋学院大学の強みでもある。