東海大学九州とは今年の西日本大会で勝利したが、2年前のインカレでは同じグループステージで、74-84と敗れている。「2年前の試合はベンチで見ていましたが、そのときの先輩たちの想いも背負って絶対に勝ち切るという気持ちで臨みました。それがプレーにつながったので良かったです」とライバルを乗り越え、次のステップへ駒を進めることができた。
昨年から先発で起用され、今年は副キャプテンを任されている。さまざまな役割がある駒田だが、「まずはプレーで引っ張っていかないといけないと思っています。そこはガードとしても、副キャプテンとしても『4年生を勝たせたい』という気持ちでプレーしています」とキャプテンの #30 小林京平をはじめ、先輩たちを支えている。
冒頭に紹介したとおり、2人の偉大な日本代表を輩出したことは、現役学生にとっても刺激になっていた。「川真田選手も2年生まではBチームで試合にも絡んでなかったですが、そこからの努力が実を結びました。佐々木隆成さんもそんなに身長がない中で、能力を生かしたプレーで活躍されています。今年の小林キャプテンも2年生まではBチームでした。常にチャンスはめぐってくると思って準備している先輩たちのすごさを感じています」と駒田は、日々努力する大切さを受け止めている。
『Thinking Basketball』を掲げる天理大学であり、「選手としても、コーチに言われたことだけを遂行していても楽しくないと思います。大学生は高校生みたいに子供ではないので、選手たちでコミュニケーションを取りながら考えるバスケをしています」と駒田が言う天理大学の環境が、大器晩成型を生み出しやすいのかもしれない。
3年生の駒田にとって、B.革新により導入されるドラフトもチャンスのめぐり合わせにしたい。「自分はガードの中でも身長が小さい方(174cm)ですし、能力もないと思っていますが、Bリーグを目指しています」と熱い思いがあった。「そう簡単にはいかないと思っているので、今大会を通じてもこれからの練習でもしっかりBリーグを意識しながらプレーしていきたいです」と続け、今年のインカレも爪痕を残すチャンスと考えている。
「ここで活躍することによってCSParkだったり、メディアに取り上げてもらったら、プロのそのスカウトとかの目に留まると思います。自分のやれることを後悔ないようにやり切りたいと思います」
大学生にとってはCSParkが最大メディアであり、モッパーを担当する学生も「CSPark来ているかな」とソワソワしていた。CSParkも独自の感覚でおもろい選手を動画で紹介しており、ファンだけではなくBクラブにとっても有益な情報源である。
文・写真 泉誠一