「流れを変えられるようなプレーヤーになっていければ、自ずとタイトルもついてくる」
今年の関東大学新人戦で東海大学は優勝し、轟はMVPに輝いた。5試合で13本を決めた3ポイントシュートは、山梨学院大学 #14 菅野陸とともにトップ。上級生とともにフルメンバーで臨むリーグ戦でも20試合を終え、34本成功している。「昨シーズンは主にキャッチ&シュートでしたが、今年は自分でゲームを作っていかなければいけないので、プルアップシュートをすごく練習しました」という努力を自信に変え、新たな武器とする。
ゲームをコントロールするポイントガードであり、得点でも活躍が目立つ轟の姿は、3つ上の先輩の姿を彷彿とさせる。東海大学時代の河村勇輝も、関東大学オータムリーグを制したのは2年生のときだった。轟にとっても、フルメンバーでつかむはじめてのタイトルへ向け、「セカンド(ユニット)にルーニー(慧)や(小林)巧さんがいるので、自分も安心してプレーできます。スタートで出させてもらっている分、ゲームコントロールして流れを変えられるようなプレーヤーになっていければ、自ずとタイトルもついてくると思っています」と役割を全うし、仲間たちにつなぐ全員バスケで3年ぶりの関東制覇を目指す。その後のインカレを見据えれば、さらなるレベルアップも求められる。
「オフェンスでは、まだハーフコートでボールが止まったときに1対1になること多く、流れが悪くなってしまう時間帯があります。また、ディフェンスではもっと基礎的な部分を徹底していけばもっと良くなり、接戦ではなく引き離したゲームもできると思っています。そこを目指していきたいです」
轟を取材した10月26日、河村が日本人4人目となるNBAデビューを果たした。「NBAのコートに立ち、まわりの選手が大きいのにアシストや得点ができ、ディフェンスでも身体負けしていない姿はすごく刺激になっています」と今も変わらずその背中を追いかけていた。河村は3年時にプロへ行ってしまったが、「学年関係なしに自分がリーダーシップを執っていけば、来年以降も困らないと思っています」と轟は、東海大学で今後も続くプレーをイメージしていた。
文・写真 泉誠一