「エースになる自覚を持ちつつ、もっとチームを支えられる存在になっていきたい」佐伯崚介
7月、U22日本代表として台湾で開催されたジョーンズカップに白鷗大学から #88 佐藤涼成と #7 境アリーム、そして #4 佐伯崚介が出場し、すでに国際経験を済ませている。フィジカルの差などを体感してきた佐伯にとって、「相手に対して少しは嫌がらせることはできたと思います」とディフェンスでは手応えを感じていた。しかし、その経験を仲間に伝え切れず、チームとして体現できなかったことを悔やむ結果となった。
決勝まで勝ち進んだ昨年と比較し、「やっぱり脇(真大)さん(琉球ゴールデンキングス)というチームの絶対的エースの存在は大きかったです。今年はエースとなる選手がいない分、チームバスケを心がけていましたが、ガマンできずに負けてしまいました」と佐伯はシドニー大学戦を振り返る。ゲームメイカーであり、得点源でもある「涼成を支えて、最後に託したいと思っています。でも、自分もエースになる自覚を持ちつつ、もっとチームを支えられる存在になっていきたいです」とシューターの佐伯から自らの殻を破る前向きな言葉を聞くことができた。
スプリングトーナメントの後、1年生から4年生までチーム全員が揃うのはオータムリーグであり、3・4年生は試合から離れていた。その間に1・2年生は新人戦で経験を積み、「ステップアップできています。そこに今大会は上級生が加わり、チームとしてまとまってプレーすることができました。でも、ジョエル(モンガ)は復帰してまだ2週間程度であり、テスト期間もあってもう一度チームを作る練習時間もないまま迎えた今大会でした」と網野監督が話し、白鷗大学にとってここからがスタートラインとなる。
「学生バスケはやっぱり上級生、特に4年生がリーダーシップを執らなければいけないです。その背中を見て下級生は成長していくので、今後も上級生が引っ張ってチームをまとめてもらいたいです。チームとしてはここからであり、この大会が出だしのような状況なので、これから上がっていくだけです」
ようやく主力が揃って迎えた今大会だったが根本に続き、佐伯もケガに見舞われた。しかし、エースとなるべく強い気持ちは変わらず、リーグ戦途中の復帰を目指し、パワーアップして戻って来ることを誓ってくれた。「ケガ人も出ましたが、みんなで埋め合っていくだけ。ケガした選手はまた強くなって戻ってきてくれるようにサポートしながら、チームで乗り越えていきます」と網野監督はもう一度チームを作り、まもなく8月24日にホームゲームからはじまる本格的な大学シーズンに備える。
文・写真 泉誠一