大東文化大学に3点差で勝利した経験が少なからず活かされ、山梨学院大学の猛追を振り切り、73-70で立教大学が逃げ切った。試合後のロッカールームでは、「率直にうれしい気持ちはもちろんありましたが、今日の試合で出た自分たちの課題をしっかり修正していくことをみんなが強く言っていました。勝って浮かれるのではなく、その課題にしっかり取り組んで、次の大会にまた臨んでいきたいです」と佐藤は明かし、コーチも学生の立教大学は全員で成長しながら、全国への切符をつかみとった。
#26 常陸匠は5本の3ポイントシュートを決め、28点の大活躍。新人インカレ出場を逃した山梨学院大学だが、ルーキーの菅野は得点王(101点/平均20.2点)と3ポイント王(13本成功)に輝き、優秀選手賞にも選ばれた。この2人の点の取り合いも見応えがある7位決定戦だった。
メインコートでの試合、格上相手の対戦で思い出した高校時代の雰囲気
佐藤は新潟の強豪・帝京長岡高校出身であり、最後のウインターカップではベスト8まで勝ち進んだ。福岡第一高校に敗れるも16点を挙げ、日本体育大学のコネ ボウゴウジィ ディット ハメードとともにチームを引っ張っていた。
「メインコートで、多くのお客さんがいる中での試合が本当に久しぶりでした。高校時代もメインコートで試合をさせてもらったんですけど、あのときのような雰囲気をまた味わえたのはすごく良い経験になりました。懐かしいというか、気分良く試合ができました」
佐藤だけではなく、全国大会出場経験ある高校出身の選手も多い。上位リーグのチームとの対戦は、気持ちを昂ぶらせてくれた。「負けたあとにみんなで話し合って、しっかりと切り替えて次の試合に臨むことができていました。勝っても負けてもチーム一丸となって戦えたことやみんなで話し合っているときが、今思えば楽しかったです」と話す佐藤は、1部リーグとの対戦によって課題も明確になった。
「日大戦や山梨学院大学戦は、自分の強みであるリバウンドやドライブが少し通用したと思います。1部のチームはフィジカルが強く、高さもある選手が多いです。まだまだインサイドでは通用しないということも実感できました。最後までディフェンスをやり切る集中力と、オフェンスで止まってしまうことがあったのでバリエーションを増やしていきたいです」
関東を代表して出場する新人インカレへ向かう準備がはじまる。1・2年生がつかんだ全国大会での経験と、2部へ昇格させた3・4年生たちの実績をうまく掛け合わせていく今シーズン。スポットライトのあたる場所を目指すことが、新たなモチベーションになっていた。
文・写真 泉誠一