強い青学を取り戻して欲しい
青山学院大学が最後にトーナメントを制したのは2013年、4連覇を成し遂げたのも11年前の話。張本天傑(現・名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)、橋本竜馬(現・アルバルク東京)、辻直人(現・群馬クレインサンダーズ)、比江島慎(現・宇都宮ブレックス)が当時のMVPに選出され、他にもBリーグや日本代表で活躍する選手を多く輩出してきた強豪。進にとっての、青山学院大学のイメージを聞いた。
「僕が大学に入ったときも1部でした。比江島さんや辻さんがいたときは常勝軍団であり、すごく強かったです。いろんな方からのコメントを見ても、『強い青学を取り戻して欲しい』という意見も多いです。常勝軍団というイメージがまだ残っているうちに、なんとしても今年は自分たちの代で引き上げて、また1部で勝っていけるようなチームづくりをしていかなければならないと感じています」
進が入学した頃には、威風堂々としていた青山学院大学のオーラが薄れていった感は否めない。昨今、頻繁に会場へ足を運んでいた横浜ビー・コルセアーズの竹田謙GMもまた、青山学院大学のOBである。「スイッチがオフになるときが極端に悪かったのが、すごく気になっていました。でも、そこは改善できるとも思っていました。選手個々の能力は高いですが、勝負強さや我慢強さがないと厳しいとは感じていました」とスタンドから後輩たちを心配していたのも昨年まで。横浜BCのGMと兼務しながら、2部に甘んじる母校のためにヘッドコーチとして、今シーズンよりベンチに座る。2年前に1部最下位となり、その負けグセが抜けないまま2部でも勝てなかったチームの改革に着手しはじめた。
「僕はチーム力がすごく大事だと思っています。一人ひとりがチームに対する思いが熱く、そのエネルギーをバスケにつなげること。それによってポジティブに取り組めるし、苦しいときにみんなで乗り越えられる。そこをまずは植え付けたいです。課題として挙げた我慢強さも、40点差で負ければ、そんなことを言っても響かない。そのためには、基本的なスキルや考え方から改善しなければいけません。元々しっかりトレーニングしているので、その身体の強さを効率良く使えるように、ディフェンスの基礎を高めています。1on1でがんばってディフェンスをして、なんとか相手のミスを誘うスキルや意識を身につけさせることで、我慢の仕方を一つひとつ習慣化できます。そのベースづくりができれば、気づけば上位チームにも勝てるようになってくる。本当に地味ですけど、ベーシックなことからもう一度築き上げていくしかありません」