1部リーグのチームとの対戦機会を逸したベスト16
2年前、関東大学リーグ戦で最下位となった青山学院大学は、2部へ降格。昨シーズンは13勝9敗の5位、1年での1部復帰は果たせなかった。新年度を迎える前、1部リーグのチームと練習試合を行い、自信を持って臨んだ関東大学スプリングトーナメント2024。東洋大学に96-84で勝利し、初戦を突破。続くベスト16は、同じく2部へ降格した早稲田大学と対戦。今シーズンを占う一戦は、80-87で青山学院大学が敗れた。
「どの試合も勝つために最善の努力をしよう、とチームで決めていました。優勝を目標にしていたわけではないですが、とりあえず最終日まで残って、1部リーグのチームと対戦しながら自分たちの実力をしっかり確かめようというところを目標にしていましたが……今は悔しいです」
最終学年となった #7 進翔太が言うように、早稲田大学戦を乗り越えれば順位決定戦が待っていた。勝っても負けても3試合できることで得られる経験値などを逃したことを悔やむ。進は9点、16リバウンド、3ブロックで変わらぬ身体能力の高さを披露した。しかし、プレースタイルの変化を感じる。
「3年生までは自分が活躍しようという意識が強かったです。チームルールを無視していたわけではないですが、自分で崩して積極的にアタックしていくことが強みでもありました。でも、今年はチームバスケを目指しています。その中で自分の役割を考えたときに、アタックばかりするのではなく、ハンドオフでつないだり、リバウンドを獲ったり、自分の役割をしっかり理解した上で今はプレーしています。アタックしたい気持ちが消えたわけではなく、与えられたチームの役割に徹底しています」
青山学院大学はけっして小さいチームではない。今回はロスター外だったが4年生の #0 広瀬翔一(201cm)、#21 ウォーレン航喜(196cm)と #23 加藤大智(203cm)と高身長が揃っている。早稲田大学戦は、彼らではなく192cmの進が5番ポジションを担う時間が多かった。「基本的には2mの選手がいた方が存在感はあります。でも、早稲田大学のように相手がスモールの場合は、機動力重視で僕が出ていた方が戦いやすいです」と相手によってユニットが変わり、進のポジションも変化する。
プロ志望の進にとって、先を見据えれば「4番ポジションでは通用しないと思っています。今年は3番を経験しているので、個人練習でハンドリングやシュート力をもっと磨いていかなければいけないと感じています」と恵まれた体格を持つ仲間の存在はやはり大きい。「今まではただ飛んでいれば勝てる相手もいました。練習中から簡単にレイアップシュートなどをさせてくれない後輩たちが引き上げてくれたことで違うプレーが選択でき、それによってバスケIQも高まっています」と感謝し、リーグ戦での巻き返しを誓った。