「試合に出られなかった選手たちも映像を見て、試合に出ていた選手たちが練習で体現することで、その質がどんどん上がっていきました。良い練習ができているからこそ、試合でも相手のコンタクトや迫力に負けないオフェンスやディフェンスができています」
日本のカルチャーに憧れてセルビアから留学してきたイゴールも2年目となり、コンビネーションプレーがスムーズになってきた。「頭が良いので、日本語もどんどん上達しています。積極的にコミュニケーションを取ってくれる選手ですし、それによってどういうプレーがしたいか、自分たちからもどう動いて欲しいかなどを伝えることが増えました」と理解度が深まった分、チームの成長も着実に見られている。
6月2日から本戦がはじまるルーキーズトーナメント(新人戦)も楽しみだ。「千颯ら2年生は昨年から試合に出ており、1年生の陸も経験がある選手です。古田さんも選手たちがのびのびプレーできるように、ミスを怖がらないように、チームとしてどんどんチャレンジしていくことを大事にしてくれています」と野溝は後輩たちに期待を寄せる。同じく、東海大学も昨年までの主力にケガ人が相次ぐ中、佐藤友や赤間賢人らルーキーが活躍。他チームにも粒ぞろいであり、ぜひ高校バスケファンに継続して注目してもらいたい。
昨年のリーグ戦は8勝11敗の9位に終わり、「上位チームにほとんど勝てなかったです。リーグ戦では、自分たちが成長していくことが大事であり、今年は上位チームを喰っていけるようなチームになりたいです」と野溝は言い、インカレベスト4の目標を掲げたことで視界が開けた。
「これまではうまく行かず、自分たちのチームカラーがどういうものかを模索し続けていました。最近になって、ようやくディフェンスからやること、そしてチームとして一人ひとりでやるのではなく、全員でやること。それが今年のチームカラーだと認識が一致し出してから、うまくまわりはじめました」
3&Dのチームカルチャーと、全員バスケをベースにするチームカラーで歴史を塗り替える。
文・写真 泉誠一