「もう、ちょっと圧っていうか、やはり覇気がすごかったです」大阪薫英女学院出身、宮城楽子
大阪人間科学大学を率いる安藤香織コーチは大阪薫英女学院と兼務し、大学と高校を一貫して指導する。今年のインカレ(第75回全日本大学バスケットボール選手権大会)ロスター15人中9人が大阪薫英女学院出身。3人の1年生は早くも主力とし、安藤イズムを発揮。関西1位となってシードで登場した大阪人間科学大学だったが、日本体育大学に63-73で敗れ、初戦で姿を消した。
22点の活躍で勝利に貢献した日本体育大学2年の #8 宮城楽子も、大阪薫英女学院出身。恩師である安藤コーチや高校時代のチームメイトたちとの対戦に、「めちゃめちゃ緊張したし、もう、ちょっと圧っていうか、やっぱり覇気がすごかったです。最初はちょっと恐れた部分はありました」と前半は気圧されていた。
しかし、チームスポーツであり、自分だけの戦いではない。「4年生が最後の大会でもある中で、コートに立たせてもらっている立場です。自分のやるべきことをしっかり徹底して、コートに立とうと意識してがんばりました」と気持ちを強く持って向かうとプレーにも変化が見られる。第3クォーター終了間際には、ブザービーターで3ポイントシュートをねじ込み、54-52と逆転する。
「あのブザービーターから調子が上がり、もう自分が持っているものを全部出そうと思ったことで切り替えることができました。あのシュートがポイントだったのかなって思います」
終わってみれば22点、7リバウンド、4スティールと攻守に渡って大活躍し、シード校を破る原動力となった。大阪人間科学大学にとって、初戦の日本体育大学戦が勝負どころだと対策してきたが、「うちの宮城にやられましたね」という安藤コーチは、敗れこそしたがどこかうれしそうだった。卒業生の活躍は常にチェックしており、「特に今年になって苦しいときに仕事できるようになってきています。彼女のところが嫌だったなという感じはあります」と宮城の成長を称える。母校の大阪薫英女学院の大事な試合があるたびに、宮城は安藤コーチへメッセージを送る深い絆でつながっており、恩師の前での活躍が何よりの恩返しとなる。
敗れた大阪人間科学大学だが、大阪薫英女学院出身の #7 仲江穂果、#76 熊谷のどか、#36 細川未菜弥らルーキーたちが物怖じしない活躍を見せ、今後が楽しみである。「どうしても高さの部分がないので、そこで苦しくなってドンと行かれてしまうこともあります。でも、ここからかなと思っています」と話す安藤コーチはすぐさま切り替え、今度はウインターカップの準備と忙しい師走を送っている。