「浜松からも多くの方が応援に駆けつけてくれて、ワンチームで戦って勝てた試合」辺田涼介
浜松学院大学のジャージの背面には三遠ネオフェニックス、同じく環太平洋大学にはトライフープ岡山とBクラブのロゴを背負ってインカレ(第75回全日本大学バスケットボール選手権大会)に臨んだ両校。B1中地区の首位争いをする好調な三遠に対し、B3の岡山が下剋上を狙う代理決戦のストーリーを勝手に妄想し、注目していた。
浜松学院大学を率いるのは三遠のレジェンド、大口真洋監督。環太平洋大学は大森勇監督、松井泰仁コーチ、角谷大成アシスタントコーチは揃って岡山でも同じ要職を担う。ちなみに角谷アシスタントコーチと、浜松学院大学の金谷拓海アシスタントコーチは昨年までそれぞれのチームでプレーしていた卒業生である。
3チームで争われるグループステージから登場し、1勝していた環太平洋大学は2戦目。対する浜松学院大学は「初戦だったので、少し硬くなるかなと心配もありました」と話すキャプテンの #19 辺田涼介が引っ張り、三遠を背負った浜松学院が13-5と好調なスタートを切った。しかし、序盤のリードを詰めていった環太平洋大学も岡山を背負う意地を見せる。3年生キャプテンの #5 藤山翔太郎は、この代理決戦をこう振り返る。
「浜松学院も1on1ではなく、チームで戦ってくる同じようなスタイルです。立ち上がりは自分たちのシュートが入らなくて、ガマンの時間帯が多かったです。でも、そこでチーム全員がガマンして、ディフェンスから流れを持ってくる自分たちのバスケは作れていたのは良かったです。ただ、いつもよりオープンのスリーポイントなどシュートを決めきれないところが目立ってしまいました」
環太平洋大学は終盤に追い上げたが、60-56で浜松学院大学が接戦を制する。辺田は「みんながベンチから盛り上げてくれて、浜松からも多くの方が応援に駆けつけてくれて、ワンチームで戦って勝てた試合でした」と勝因を挙げた。続く富士大学にも勝利した浜松学院大学が、グループステージ突破。3戦目はシードで待つ筑波大学に挑戦。今年の新人インカレでも対戦し、1・2年生チームが55-107の大敗を喫した。「後輩たちがチームを引っ張ってインカレに連れてきてくれました」と4年生の辺田が言うように、下級生が主力のチームであり、新人インカレの借りを返すチャンスを得た。
「自分たちが4年間積み上げてきたことと、それに加えて下級生がチームに与えてくれるものはすごく大きいです。筑波大学ともしっかり戦って、自分たちのバスケさえできれば結果がついてくるとも思っています。まずは自分たちの役割を果たすことにフォーカスして、がんばりたいです」と辺田は力を込め、ワンチームで挑んだ。結果は60-71。5ヶ月前は52点差で敗れた筑波大学に、9点差まで迫った成長が見られている。
さて、代理決戦について両キャプテンに伺ったところ、「あんまり意識していなかった」と声を揃える。筆者の勝手な妄想だった。