1年生の時から先輩たちの姿を見てきたおかげで、この4年間で1部でも戦える実力はついてきた
藤澤を筆頭に #80 佐藤双羽、#22 アチャラ オゲチクランシー、#8 アググア チカ チュクウら主力はいずれも2年生。春のトーナメントでベスト4。新人インカレでは84-78で東京医療保健大学を破って金星を挙げ、全国大会でも4位となり、着実に実績を残した今シーズン。来年は3年生の #55 日野華希が引っ張り、さらなる飛躍も期待できただけに、2部リーグで過ごす1年間はもったいない。
清實は、「すぐに1部へ上がれる実力がある後輩たちです。そこは自信を持って、練習のときから外も中も中心選手がいる強みをしっかりと活かして、確実に1部に上がれるようにがんばって欲しいです」と後輩たちを信じ、バトンをつないだ。リーグ戦こそ2部となるが、その結果次第ではインカレへ出場できる。リーグ戦以外の関東での大会は、1部と戦うチャンスだってつかむことができる。
清實ら4年生が入学した年、山梨学院大学は1部に昇格したばかりだった。酪農学園大附とわの森三愛高校3年次、ウインターカップ初出場を果たした清實だったが、全国レベルでの経験値は少ない。大学進学当初は、「1部で戦う厳しさをはじめて体験しました。体の強さも全然違いますし、技術も全然違う中で、1年生のときから先輩たちの姿を見てきたおかげで、この4年間で1部でも戦える実力はついてきたとは思います」と多くのことを吸収できた。
最後の試合となった拓殖大学戦の残り38秒。4年間ともに汗を流してきた #38 澤本瑠衣と #77 幸野谷優和と一緒にコートに立った。清實は山梨学院大学への思いが溢れる。
「本当に部員は少なくて、途中で辞めてしまった子もいます。もともと4年生が少なかったですが、それでも後輩たちはしっかりとついてきてくれました。調子が良いときでも悪いときでも、変わらずに後輩たちはすごく頼もしく、同期は自分が全然できないときも支えてくれて、本当に良いチームだなって思います。最後にこのチームでバスケをして終われたのは、自分にとってすごく幸せなことだったなと思っています。本当にこのチームが大好きです」
今後は就職し、実業団でバスケを続ける。「今回の悔しい結果は自分にとっても、すごく後悔があります。このチームでその悔しさを晴らすことはもうできないですが、しっかり次のステージでこの悔しさを挽回できるようにがんばっていきたいです」という清實のバスケ人生が、山梨学院大学の横断幕どおり『常勝常笑』であってもらいたい。
文・写真 泉誠一