根本的なところから選手同士の関係性を変えていこう
関東女子大学リーグ戦を終えた山梨学院大学は涙に暮れた。1勝13敗の結果は1部リーグ最下位となり、入替戦へ望みをつなぐ。春のトーナメント(第57回関東大学女子バスケットボール選手権大会)で7位と躍進した2部1位の立教大学との一発勝負。57-62で敗れた山梨学院大学は、来年の2部降格が決まった。4年生の #0 清實茉宝は「今の3年生にとっては、ラストシーズンを2部で戦うことになってしまうので、そこは4年生として申し訳ない気持ちがすごくあります」と肩を落とすしかなかった。
しかし、関東9位の山梨学院大学にもインカレ(第75回全日本大学バスケットボール選手権大会)への出場権はある。11月4日に終わった入替戦から、1ヶ月後に控えるこのチームで戦える最後の大会へ向け、もう一度立ち上がった。「全員でしっかりとコミュニケーションを取ること。その根本的なところから選手同士の関係性を変えていこう」とふたたび歩み出す。リーグ戦で課題となったターンオーバーやボックスアウトも、チームとしての連携が不十分だったことに目を向けた。
1部リーグで1勝しかできなかった山梨学院大学だが、#5 藤澤夢叶(2年)は平均27.7点で得点王、3ポイントシュートも70本成功させ、個人賞2冠に輝く。清實はその得点源を活かしつつも、「藤澤1人だけでは勝てないというのは、もう分かっていることです。コートに立つ他の4人やベンチメンバーの得点が大事になってきます。そこでアタックを増やしたり、開いたら思い切ってシュートを打つことだったり、他の選手の点数をもっと上げていこうと修正してきました」と技術もメンタルも向上させてインカレに入った。
ロスター総勢6人、初出場ながら2連勝でグループステージを突破した北洋大学との初戦。藤澤は31点と得点王の実力を示すとともに、14点の清實をはじめ6人が二桁得点を挙げ、課題に取り組んできた成果を早くも見せる。続くベスト8進出を懸けた2戦目は、リーグ戦では1度も勝てなかった拓殖大学が相手。前半こそ36-38の2点ビハインドで凌いだが、後半は「課題だった自分たちの悪いところが出てしまい、それが負けにつながってしまったと思います」と清實はふたたび肩を落とす。リバウンドは50-46本で上回るもオフェンスリバウンドを16本許し、ターンオーバーは26本と多く、59-73で敗退。山梨学院大学の今シーズンが終わった。