「緊張でかたくなってボコボコにやられてしまった感じ」吉田淳
インカレ(第75回全日本大学バスケットボール選手権大会)の男子初出場は2校のみ。今シーズンより1部昇格を果たし、関東9位ではじめて全国への出場権を獲得した山梨学院大学はシードで初戦に臨む。グループステージを突破した九州産業大学に、80-73で初勝利を飾る。続く東海2位の名古屋学院大学も89-71で破ってベスト8進出を果たし、関東代表のメンツを保った。
もう1つの初出場校である東北3位の青森中央学院大学は、グループステージ初日の第1試合から登場。初戦は九州産業大学に66-112で完敗し、全国の洗礼を浴びる。続く札幌大学戦は後半に巻き返したが、75-80で惜しくも逆転勝利には届かなかった。2試合でインカレを去った青森中央学院大学だが、「みんな初の全国大会ということもあり、緊張でかたくなってボコボコにやられてしまった感じでした」と初戦を終えたあと、唯一4年生としてコートに立った #75 吉田淳が率直な感想を述べる。
九州産業大学に18本のスティールを許し、21本のターンオーバーから速攻で得点を重ねられた。また、42本も打たれた3ポイントシュートは15本決められ、112失点。吉田は「フィジカルやファウルが吹かれる基準も、東北リーグと比べて高かったです。特にフィジカルは、自分も結構ウエイトをしてきましたが全員が強くて、相手のセンターにすごく押されてしまいました」と話し、全国との差を痛感するはじめての経験だった。
2戦目も同じコート、同じベンチで試合に臨んだ青森中央学院大学であり、「昨日に比べて少しは慣れたというか、気持ち的には楽に臨めました」と3年生キャプテンの #55 金沢那智は札幌大学戦へ臨む。しかし、第1クォーターから13-26とダブルスコア、前半を終えて29-52とされ、23点差を追いかける。青森中央学院大学の選手たちはあきらめることなく戦い続け、金沢の言葉もどこか自信に満ち溢れていた。
「最初はペースがつかめなくて、自分もなんですけど、ゴール下のイージーショットを外してしまったことが多かったです。でも、後半は逆転を目指して、みんなが意識を高く持ってできました。(吉田)淳さんをはじめ、みんながシュートを決めるところでしっかり得点できたことで、追い上げることができたと思っています」
結果は札幌大学に5点差で敗れたが、後半だけを抜き出せば46-28で上回っている。今夏、FIBAワールドカップでドイツやオーストラリアの強豪を相手に前半から大きなビハインドを背負った日本代表だったが、トム・ホーバスヘッドコーチは後半だけでも点差で上回ることを目指し、それを実現したことで自信を得られた。この20分間の戦いが、今後の青森中央学院大学の礎となるはずだ。