初のベスト4入りを果たした大躍進の日本経済大学
九州勢として、6年ぶりにベスト4入りを果たした日本経済大学。4年生の #88 中村翔和を中心にグループステージを勝ち抜き、7試合は群を抜いて多い。白鷗大学との対戦こそ叶わなかったが、準決勝では東京医療保健大学を苦しめ、53-65と互角に渡り合った。198cmの #7 ファール アミナタと #11 大久保陽菜がルーキーながら先発を任され、他にも1年生や下級生が活躍し、来年が楽しみだ。ふたたび九州1位で出場できれば第4シードとなり、今回とは違って優位に戦える。
1年生の大久保は名門・桜花学園出身。「自分自身は高校のときはあまり試合に出られず、大学に行ってからスタートで起用してもらっています。負けたのは悔しいですが、通用するプレーも自分の中では結構あったと思っています」とプレータイムに比例して力を発揮。東京医療保健大学の選手たちから学ぶことも多く、「ピックの使い方が上手く、ダイブするときにセンターだけを見ているのではなくて、逆サイドのコーナーなどへのパスさばきが上手でした。また、速攻で走るときのスペーシングが、東京医療保健大学は広いとも思いました」と良い部分は貪欲に吸収する。さまざまな地域を代表するチームとの対戦、170cmの大久保は1〜4番ポジションまで幅広くマッチアップできたこともプラスになった。
拓殖大学との3位決定戦に、大久保の姿はなかった。1年生ながら6試合戦っていた疲れ、そして敗れたことで「集中力が切れたのかな」と安浦知仁監督は気遣い、体調を崩して欠場。準決勝で敗れたあと、「やり返したいです」と大久保は沸々と燃えており、それが発熱の原因になってしまったのかもしれない。
4年生たちの大学バスケが終わった。ともに桜花学園出身の白鷗大学 #42 田中平和と東京医療保健大学 #77 岡本美優は、バチバチとマッチアップしたくないと話すほど仲が良い。その2人がトヨタ自動車アンテロープスにアーリーエントリーで進むことが決まり、さらに三浦と古木、日本体育大学 #3 小野寺佑奈が今度はチームメイトとなる。白鷗大学 #7 桐原麻尋と東京医療保健大学 #22 林真帆を迎える富士通レッドウェーブでも、大学時代のライバル同士が仲間となって新たな戦いがはじまる。大学バスケの成長を示すように、26人がアーリーエントリーとしてWリーグへ進むことが発表された。ルーキーではあるが、4年生として見せた自信やリーダーシップを発揮し、新天地の起爆剤となる活躍を楽しみにしたい。
文・写真 泉誠一