ライバルに成長させてもらって日本一となった白鷗大学は、これからさらに厳しい戦いが待っている。12月13日(水)に同じく代々木第二体育館で行われる皇后杯ファイナルラウンドで、10連覇中の女王・ENEOSサンフラワーズに挑む。4年生にとっては引退へ向け、残る選手たちも先輩と一緒にこのチームで過ごせる限られた時間のカウントダウンがはじまった。
準優勝は東京医療保健大学、第3位は拓殖大学、そして初のベスト4入りを果たした日本経済大学は第4位と大健闘し、女子インカレは幕を閉じた。MVPは白鷗大学の三浦舞華が受賞。男子は群馬クレインサンダースのホームであるオープンハウスアリーナへ舞台を移し、ファイナル4が12月16日(土)・17日(日)に行われる。準決勝を戦う白鷗大学 vs 筑波大学、東海大学 vs 専修大学の4チームに絞られ、週末に男子チャンピオンが決まる。
良い顔で戦い抜いたグッドルーザーからもらった感動や勇気
インカレだけではなく、関東でも幾度となく対戦してきた素晴らしいライバル関係で、大学バスケ界を引き上げ続ける白鷗大学と東京医療保健大学。決勝で敗れた後、東京医療保健大学 #1 古木梨子は「個人的には申し訳ない気持ちでたくさんなんですけど……」と涙で言葉が詰まる。しかし、最後まで良い顔で戦い抜いたグッドルーザーだ。
「結果としては2位になってしまったんですけど、少しでも見ている方に感動や勇気、すごく良いなと思ってもらえたなら、それはそれで得られたものもあったかなと思っています」
白鷗大学の強さについて古木に聞けば、「軸がしっかりしていて、マインドの部分もすごく強いなって感じています。メンタル面で上回られたかな」と述べ、ほんの少しの差が勝敗を分けた。昨年は東京医療保健大学が大学チャンピオンとなって、その後の皇后杯ファイナルラウンドへ進出し、富士通レッドウェーブを相手に67-69とわずか2点及ばず惜敗。これからENEOS戦に挑む白鷗大学に対し、「もう勝って欲しいと本当に思います。やっぱり大学生でもWリーグに戦えるんだぞ、というのを見せつけて欲しい。あとは、楽しく戦って欲しいです」とエールを送った。
準決勝で白鷗大学に敗れた拓殖大学は、リーグ戦でも2連敗。#28 狩野美里は「拓殖大学はインサイドのチームですが、それを上回るぐらい強いインサイドです。また、ガードやフォワード陣も得点力があり、どこからでも点を取れるチームなので的が絞りにくいです」とチャンピオンの強さを語る。準決勝は54-73で敗れ、「全員のレベルが自分たちよりも、もう何倍も上でした」と完敗を認める。すぐさま気持ちを切り替え、翌日の3位決定戦へ臨んだ拓殖大学は、日本経済大学に91-64で勝利し、4年ぶりに銅メダルを獲得した。