強い気持ちで第1クォーターから10点を挙げ、10点リードさせたアマカの気合い
インカレ(第75回全日本大学バスケットボール選手権大会)女子決勝は、5年連続同一カードとなった。6連覇中のチャンピオン・東京医療保健大学と、4年連続準優勝で涙を呑み続けている白鷗大学のライバル対決。ともに4年生が主力の両チームによる集大成をぶつけた大学日本一決定戦。27-17、第1クォーターから白鷗大学が10点をリードしてはじまった。
ゴール下で4連続得点を決め、最初の10分で10点を挙げた白鷗大学の #13 オコンクウォ スーザン アマカは唯一、4年生と一緒に先発で出場する3年生。「強い気持ちで自分がここで決めて、点差を離して流れを持って来ようと思っていました。先輩のために、最後は笑顔で終わりたいと思っていたので、もう全力で優勝に向けてがんばりました」と気合いで上回り、先手を取る。40分間の熱闘を終え、26点・17リバウンドでアマカがゴール下を制する。79-69で勝利した白鷗大学が、7年ぶり(2回目)の大学日本一に輝いた。アマカは、「ずっと2位になっていた2年間は、すごく悔しかったです。ようやく優勝できて、メッチャうれしいです」と素直に喜びを表現する。
今年の白鷗大学は春のトーナメント(第57回関東大学女子バスケットボール選手権大会)も、秋のリーグ戦も関東を制し、第1シードで臨んだインカレは順当な結果と言える。しかし、昨年までつらい経験をしてきた選手たちにとって、これまで代々木第二体育館でのインカレ最終戦で東京医療保健大学に負け続けてきたことが不安要素でもあった。キャプテンの #74 樋口鈴乃は、リーグ戦が分岐点になったことを勝因に挙げた。
「リーグ戦の最終戦も代々木で行われ、そこで勝って優勝できたことが自分たちのひとつの自信になりました。代々木でも東京医療保健大学に勝てる。そういう経験ができ、それが今日の結果につながったのかなと思います」と言うとおり、その恐怖を乗り越え、彼女らにとってはじめての日本一をつかむことができた。取り戻した自信とともに、「お互いに4年生が中心のチームであり、同じ学年だからこそ負けられないようなところも少しはあったかもしれない」と佐藤智信監督は付け加え、意地を見せた。「ホッとした」と肩の荷を下ろす指揮官が、準優勝が続いた過去を振り返る。
「本当に長い時間がかかりました。この5〜6年は、やっぱり東京医療保健大学が良いバスケットをしていたので、そこに追いつけ追い越せという思いでした。選手たちもそうですけど、私自身もやっぱり東京医療保健大学のおかげで成長できたと思います。もちろん他にもいろんなチームがあり、いろんな対策をしてきます。それに対し、練習の内容や戦い方を考えたことで成長できたと思います。それが、今日は結果として実って本当に良かったです」