来年はエースとして飛躍に期待
「小さい頃からNBAがすごい好きです。オールラウンドプレーヤーであり、パワーもあってシュートも上手。彼のようにはいかないけど、目標としてレブロン・ジェームズのようなオールラウンドプレーヤーになりたいと思っています」
今大会は1本打っただけに終わった3ポイントシュートも練習しており、少しずつその精度も高まっているそうだ。チーム事情として背中を向けたインサイドプレーも必要だが、それ以上に「もっと上のポジションをどんどんトライさせたい」と比嘉監督は可能性を広げる。課題点は「やっぱり経験値が少ない分、ボールを持っている相手に対するディフェンスは良いですが、オフボールマンに対するディフェンスはまだまだ練習が必要です」と続ける。高いレベルでの経験の足りなさも線の細いフィジカルも、どちらも時間を要する。大阪体育大学であと3年成長できるチャンスがあり、焦ることはない。
高いレベルに飢えていたリヴァースは、「試合を積むごとにどんどん成長しており、このインカレの経験も彼にとってはすごいプラスになりました。来年はまだ2年生で早いかもしれませんが、このインカレでもプレータイムを与えたので、エースになってもらうぐらいの活躍をして欲しいです」と比嘉監督は明言する。
リヴァースを見た他チームやカテゴリーが上の関係者から、「おもしろい」という声は比嘉監督の元にいくつか届いている。だが、「『おもろいな』から『やっぱりアイツすごいよな』と言われるような選手に育てていきたい」と原石を磨く楽しみに意欲を見せた。
リヴァースが目指す選手像は、「この身長のわりに動けるし、スピードもあると自分では思っています。自分より強い相手を守れるようなディフェンス力とシュート力、自らプッシュしてコースト・トゥ・コーストでフィニッシュするみたいな、自分の得意なプレーをどんどん伸ばしていって、オールラウンドな選手になりたいなとは思っています」と語り、リバウンドからそのままオフェンスに展開するプレーは魅力的だ。
今年10月、JBAが日本バスケットボールの強化・育成における指針を掲げた「Basketball Japan’s Way 2023」を発表。その中に、日本バスケットボールに求められるのは、「オールラウンダーであり卓越したスキルを有するプレーヤー」と提言されている。リヴァースが習得すべきスキルは数多あるが、その可能性は無限大。次に会うのはいつの日か、はたまたどんな舞台なのか、その日が今から待ち遠しい。
文・写真 泉誠一