インカレの前に全国のライバルを知ることができる新人インカレは、伸びしろ多い1・2年生にとってはステップアップの機会になっている。ベスト8に進んだ今夏は、192cmのコリャウォレ オモウミ イヤドゥニの存在も大きかったが、残念ながらチームから離れてしまったため、今大会にその姿はない。しかし神森は、「ピックに対する守り方では脚力を活かし、小さいからこそガツガツ守るようになりました。リバウンドは弱くなったので、そこは全員でがんばらなければならないです」と今ある戦力の長所を最大限発揮し、努力の成果を示す1勝となった。
ベスト8に入った新人インカレも、昨年のインカレも、4年生たちが出場した3年前も、代々木第二体育館でプレーする機会には恵まれなかった。今年はじめて聖地のコートに立った福岡大学の選手たち。高校時代は九州の強豪校で全国大会を経験してきた選手も多く、初戦も緊張こそなかったが、「代々木第二体育館ははじめてなのでメッチャ楽しかったです」と神森は興奮気味に語る。関東勢の戦いを映像で見る機会も多く、同じ場所に立てる初戦へ向け、自然とモチベーションも高まっていた。
「次の試合が園田学園女子大学なので、しっかりと勝ち切ってグループステージ突破をまず目指します。勝ち上がれば関東の専修大学と対戦でき、相手は大きいからこそリバウンドが勝負の分かれ目になると思います。そこをもっと修正してがんばっていきたいです」
福岡大学の目標はベスト8。そこに到達できれば、ふたたび代々木第二体育館に戻って来られる。12月5日のグループステージ最終戦に対戦する園田学園女子大学は関西6位の初出場チーム。Eブロックを突破すれば、関東7位の専修大学、東海1位の愛知学泉大学がシードで待つその山は高く、険しい。だが、同じ大学生同士、なにが起きてもおかしくないのがトーナメントの楽しさでもある。
文・写真 泉誠一