2勝しかできなかったが、大黒柱のダオウダが健在のときは接戦も多く、全チームと総当たりした1巡目は日本体育大学と中央大学に勝利。10点以内の僅差で敗れた試合は、8回を数える。「あと少し踏ん張れば勝てるというところまで来ていました。自分たちのやるべきことをぶらさずにはできていましたが、そこで勝ち切れなかった1部の強さも痛感しました」と大出が言う「やるべきこと」について、このように説明する。
「昨年の2部で優勝したときも、ディフェンスにフォーカスしていました。ハードワークすることやインテンシティを上げていくことを意識していましたが、1部の高さや身体能力を止められずに終わってしまった感じがします。でも、その意識のところで相手は高さがある分、リバウンドをみんなでがんばることはできていたので収穫もありました」
ようやく1部に昇格できた江戸川大学だったが、1年で逆戻り。大出ら3年生にとっては、最終学年はふたたび2部での戦いとなる。1部でプレーできたのは、「去年の4年生が上げてくれて、今年もやっぱり4年生がこのチームを引っ張ってくれたからこそ、1部の舞台を経験することができました。これを絶対に無駄にしてはいけないですし、4年生が流した悔し涙は来年の1部に上げるための活力として、がんばらなければならないと思っています」と大出はバトンを受け継ぎ、1部復帰を目指す1年がここからはじまる。
プロ志望の大出にとって、来年は2部になることでスカウトの目が届きにくい環境になるかもしれない。「もっとアグレッシブにプレーして、来年また1部に上げること。もっとスタッツも残していかなければいけないと思っています」と覚悟を決め、1部昇格とともにインカレ出場を果たし、アピールする機会を自らつかみ獲るだけだ。
文・写真 泉誠一