「もう順位が変わらないことは分かっていましたが、1ヶ月後のインカレに向けて良い流れで持っていけるように、全員で筑波のバスケットを40分間出し切ろうと臨みました」
4位が確定していた筑波大学のキャプテン #13 田中万衣羽はもう一度チームをひとつにし、第73回関東大学女子バスケットボールリーグ戦の最終戦へと向かう。その結果、山梨学院大学を72-64で下し、7勝7敗と勝率を五分に戻す1勝をつかんだ。
昨年までの田中は、チームを勢いづけるシックスマン。4年生となり、キャプテンを任される今年のリーグ戦は先発で出場し、開幕戦は拓殖大学を相手に26点をマーク。総当たり1巡目の7試合は平均13.9点、19点を挙げた試合が2回あった。そのうちの1試合は、85-78で日本一の東京医療保健大学から勝利を奪い、「自信になりました」。筑波大学開催のホームゲームだったことが「勝因のひとつでした」という田中が、その試合を振り返る。
「みんなが一丸となって戦えたのが大きかったです。あの試合は全員が思いきってシュートを打ち、迷いなくプレーもできていました。全員がリングに向かい、気持ちの面で相手を上回ることができていました。やっぱり、そういう気持ちが大事になります」
しかし、翌日のホームゲームでは優勝した白鷗大学に56-87で完敗し、田中も4点に終わっている。「留学生がいない分、もっともっとハードにディフェンスをして、機動力で上回って勝たなければいけないです」と田中は言い、関東2強=日本のトップを凌駕しなければ、目標とする日本一にも届かない。
1年次からプレータイムを与えられてきた田中は、筑波大学の得点源の一人である。前述どおり、1巡目は平均13.9点の二桁をマークしていたが、2巡目は平均8.6点。ラスト5試合中4試合での最多は5点だった。26点を獲った開幕戦は、#0 山田葵(3年)や #24 上野心音(1年)が不在。東京医療保健大学に勝利したときは、#14 朝比奈あずさ(2年)がアジア大会へ出場していたため、「自分が点を獲らなければいけないという意識が頭にあり、自信を持ってプレーできていました」と強い気持ちでチームを引っ張る。
その後、2点に終わった2巡目の東京医療保健大学戦では朝比奈18点、山田17点、上野12点、続く白鷗大学戦も1ゴールだったが #11 川井田風寧(1年)15点、朝比奈12点、#71 鈴木杜和(1年)10点と後輩たちが躍動する。しかし、結果はいずれも敗れており、田中が26点を挙げた開幕戦も黒星だった。自ら得点を獲っても勝ちにつながらず、仲間に任せても結果が伴わない苦難のリーグ戦でもあった。