集大成となる4年生にとって、4年間努力してきたことをぶつける最後の戦いであり、なんとか後輩たちを1部に上げるために全力を尽くすのは当然である。それ以上に3年生以下の選手たちこそ、自らの手で1部昇格のチャンスをつかむためにも、当事者意識を持って臨まねばならない。岡部はこれまでの苦しかった2部での2年間を振り返り、昇格への思いを語った。
「1年生のときは9位(4勝7敗)、2年生のときも6位と不甲斐ない結果で終わってしまいました。でも、上位を狙える選手が揃っており、1部でも戦えるメンバーだったと思います。今思えば、リーグ戦に照準を合わせた練習がしっかりとできていなかったのが、勝てなかった原因でした。3年生のみんなで『今年は絶対に1部に上がろう』と、あらためて話し合いました。法政大学に入学した自分たちが何をもたらせることができるかと考えたときに、やっぱりずっと2部だったチームを1部に上げて、しっかり後輩たちにも1部での経験を積ませて、これからどんどん強くなってもらえるようにすること。それが、自分たちが掲げた目標です。今年は絶対に、何としても1部に上がるという気持ちは強いです」
法政大学の得点源は4年生 #3 今池翔大であり、平均16点。4年生の #74 長橋冬真(198cm)と2年生の #75 柳田大斗(200cm)のツインタワーを擁し、2人とも岡部と同じ國學院久我山高校出身。「2部の留学生を相手にも全然負けていないと思っており、全面的な信頼を置いています」と高校時代から積み上げたコンビネーションも法政大学の武器である。
今春の第72回関東大学バスケットボール選手権大会で専修大学と対戦し、54-82と完敗。1部との差について岡部は、「留学生のレベルが上がり、1部の4番ポジションは195cmがざらにいますし、190cm台がガードを務めていたり、サイズが一段と上がります。小さくても戦うためにもディフェンスを突き詰め、対等に戦っていけるように意識しています。毎年課題にしてきましたが、やっぱりディフェンスの強度を上げていかなければいけないことは分かっています」と明確になっており、立ち向かうための自信もある。3ポイントシュート力や1on1で守れるディフェンスなど岡部自身の課題もあるが、4年ぶりの1部復帰を目指す。入れ替え戦で2勝を挙げるためにも、法政大学の強みを突き詰めていく大事な10日間がはじまった。
文・写真 泉誠一