リバウンドで圧倒し、勝負を決めた第1クォーター
約2ヶ月に渡って繰り広げられた第73回関東大学女子バスケットボールリーグ戦(1部)は、12勝1敗で並んだ白鷗大学と東京医療保健大学の2強による最終戦が10月29日に行われた。1巡目は81-87で敗れ、1敗を喫した白鷗大学が87-68でリベンジし、2年連続5回目の頂点に立った。「勝因はリバウンド。うれしいのひと言です」と白鷗大学のキャプテン #74 樋口鈴乃は、簡潔に優勝の喜びを言葉にする。
激しいディフェンスでボールを奪い、素早い切り替えからあっという間にゴールへ突進していくダイナミックなバスケスタイルの両チーム。外れたシュートを #13 オコンクウォ スーザン アマカ(総数6本)や #42 田中平和(同4本)が、オフェンスリバウンドでチャンスをつないだ白鷗大学が第1クォーターで30-13とリードを奪う。「その出だしで17点差と離されてしまい、その点差のままで終わってしまった感じの試合でした」と東京医療保健大学のキャプテン #77 岡本美優は述べ、最初の10分間が敗因となった。
1巡目の直接対決時は、東京医療保健大学が13本のオフェンスリバウンドを奪って勝利している。樋口は「その試合で負けてからずっと課題にし、修正してきたリバウンドを最後の試合でしっかりと取り切れたのが1番大きかったです」と話し、総リバウンド数は46-32で14本上回った白鷗大学が勝利を引き寄せた。そのリバウンドの改善点について、樋口がこう続ける。
「今まではアマカや平和に任せてしまうことが多く、そのこぼれ球をガード陣が取り切ることができていませんでした。でも、全員でボックスアウトを徹底するために練習してきたことが、この試合で出せて良かったです」
春に行われた第57回関東大学女子バスケットボール選手権大会(トーナメント)に続き、リーグ戦を制した白鷗大学が2冠を達成した。
ライバル対決で経験を積み重ねてきた4年生チームのメリット
白鷗大学は #30 三浦舞華や田中、東京医療保健大学も #18 池松美波らは1年次からプレータイムを与えられ、岡本は先発を任されてきた。これまでの両チームは4年生を軸にしながらも、各学年の選手が入り交じって構成されてきた。しかし今年は、いずれも4年生チームとして成熟度が増している。
岡本は「下級生のときから試合に出させていただいて経験を積む機会も多く、今年は交代で出てくる選手も4年生であり、最上級生が活躍するのがすごい強みだと思います」とメリットとして大きい。樋口も同様に、「やっぱり4年生の絆は強く、6人の同期でどうしたらチームが良くなるのかと何度も話し合い、それこそ金曜日にもみんなで本音を言い合ってきました。やっぱり4年生がコートに出ている時間帯の安心感はすごいなと感じています」という信頼が強固たる強みとなる。
一方、関東大学1部リーグのライバル校を見れば、下級生たちが頭角を現している。平均27.7点で得点王になった山梨学院大学 #5 藤澤夢叶、女子日本代表のインサイドとして定着しはじめた筑波大学 #14 朝比奈あずさはいずれも2年生であり、リーグ戦を通じて世代交代を見据えた経験を積んでいる。両チームの3年生以下でプレータイムを得られているのは白鷗大学3年生の #20 舘山萌菜、東京医療保健大学も2年生の #91 大脇晴くらいだった。