「この新人インカレを通じて良い部分も悪い部分も分かりました。それを修正して、これから3・4年生も一緒にリーグ戦がはじまるので、インカレ優勝を目標に自分のできることをがんばっていきたいです。マークが厳しくなり、ディナイを強くされたときは全然攻めることができませんでした。もっと工夫して、外の選手を活かすことや、自分でも攻められるようにしていきたいと思います」
今回はFIBA U19ワールドカップのために一緒に出られなかった3人の仲間たちとは連絡を取り、大会中も刺激し合っていた。白鷗大学は第3位の結果に終わったが、「全部勝って優勝してほしい。自分たちはそれができなかったので、スペインでは優勝してもらいたいです」と玉川はエールを送る。その期待通り、予選グループを無傷の3連勝で突破し、本日21:15よりベスト8進出を懸けた中国との負けられない戦いが待っている。
ビッグガードとして期待の177cmが目指すポジション
ルーキーの #11 佐々木凛はこのチームで2番目に大きい177cm。登録はフォワードだが、湯沢翔北高校時代からポイントガードも担うオールラウンダー。新人インカレでもボールを運ぶ時間は多く、玉川のシュート力を活かす。大阪体育大学に敗れたあと、「玉川さんに頼ってしまうところがたくさんあって、負担が大きかったです」述べ、自らゴールへ向かって仕掛ける積極性を課題に挙げた。
翌日の山梨学院大学戦では9点、4アシスト、3スティールと攻守に渡って勝利に貢献。「身長が大きいけど、スピードがあるのが武器だと思っています。そのスピードを活かしてドライブし、味方にアシストを出すのが持ち味です」と佐々木は明言し、チームメイトからも信頼を寄せる。
高校時代と比較すれば、「ガードのディフェンスの強度が高いです。まだボール運びは全然遅いし、安定感もなかったので、これからも3・4年生を相手に練習をして、安定したポイントガードになりたいです」と期待のビッグガードである。
スピードあるドライブが魅力だが、3ポイントシュートがなければ選択肢は増えない。今大会での試投数はたった2本、いずれも決まらなかった。しかし、それには理由があり、「大学に入ってからワンハンドシュートに変えました。まだシュート力がないので、これからシューティングをたくさんして、玉川さんのようなシューターになりたいです」とバージョンアップ中だ。
「安定したポイントガードになりたい」「シューターになりたい」と欲張る佐々木が目指すのは、「今大会でもインサイドを攻められることがたくさんあったので、オールラウンドで活躍できればいいなと思います」とポジションに縛られない。
フルメンバーでも17人しかいない精鋭部隊の白鷗大学。3・4年生は学生スタッフとして3人がベンチに入り、それ以外はユニフォーム姿で応援に駆け付けて盛り上げた。今大会を通じて玉川も、佐々木も、アフォディアも、白鷗大足利高校出身の #19 清水絢も大きく成長できた。彼女たちの名を轟かせるのはこれからであり、楽しみな逸材である。
文・写真 泉誠一