「マネージャーさんたちもメッチャ練習していましたので、頼もしい存在でした」玉川なつ珠
「第1回全日本大学バスケットボール新人戦」(以下、新人インカレ)は1・2年生チームで争われる。15人のフルロスターで出場するチームがあれば、受け入れる選手数に限りがあることで、半分になれば必然的に選手層が薄くなってしまう。白鷗大学の登録メンバーは9人。しかし、同時期にFIBA U19女子ワールドカップが開催され、 #9 佐坂光咲、 #5 池田凜、 #17 高木美波の3人をU19日本代表として送り出した。昨年のプレ大会で優勝した白鷗大学は、6人で今大会に挑んでいた。
シードの白鷗大学は準々決勝から登場。初戦はグループステージから勝ち上がり、勢いに乗る福岡大学に苦戦を強いられ、74-72で辛勝。準決勝は優勝した大阪体育大学と対戦。スタートダッシュを許し、終盤に追い上げたが突き放され、56-71で敗れた。3位決定戦の山梨学院大学とは関東予選の準決勝で対戦し、80-65で勝利している。6人しかいなくなった白鷗大学だが77-68で勝利し、第3位で大会を終えた。試合後のチームミーティングで佐藤智信ヘッドコーチは選手たちを褒め称え、歓喜の輪ができた。
「関東新人戦はU19日本代表組もいましたが、新人インカレから6人になって、そのうち2人はマネージャーだったので、正直不安もありました。でも、選手たちと同じように一緒に練習して、ここまで来られたので本当に良かったです」
#18 玉川なつ珠は第3位の結果に安堵する。本来は白鷗大学のマネージャーである #7 新川育美と #74 池田千紗が今大会は選手として出場。先発の池田は高知中央高校出身であり、全国の舞台も経験してきた実力者。3試合目となった3位決定戦では試合慣れもあり、8得点、4リバウンドを記録。新川も2本の3ポイントシュートを決め、奮闘した。
「マネージャーとしてではなく、この新人インカレでは選手として6人で努力し、戦っていました。結果は結果ですが、3位を獲れたことが本当に良かったです。マネージャーさんたちもメッチャ練習していましたので、頼もしい存在でした。楽しくできたことが、何よりも良かったです」と玉川は、新川と池田の活躍を喜ぶ。
チームの起点として平均22.3点を決めた玉川に対するマークは、当然厳しくなる。大阪体育大学戦は、195cmの #41 アダム アフォディヤとの連携がうまく行かない場面もあった。「自分で攻めるよりもアフォディアや佐々木(凛)、マネージャーさんのアウトサイドシュートを狙った方が確率も良かったので、もっとまわりを活かすことを意識していました」と玉川は修正し、ラストゲームを勝利に導いた。
2年前のウインターカップで日本一になった桜花学園出身の玉川。昨年の新人インカレでケガをし、今年もチームが始動した2月に靱帯が切れたことで手術し、戦線離脱。復帰したのは関東新人戦間際であり、満足のいくコンディションではなかった。ケガによって昨年のインカレも出場機会がなく、大学に入ってはじめて全国の舞台に立った。