岡山商科大学よりも全国に名を轟かしているのが、納谷幸二監督率いる付属高校の方だ。今回のメンバーでは #31 佐々木白斗だけが出身選手だが、高校チームと一緒に練習する機会も多い。しかし、負けることもまだまだ多いそうだ。「そのまま大学に上がって来て欲しい思いはあり、それに越したことはないですが、強豪が揃っている関東や関西にチャレンジしてもらいたい思いもあります」と宇田監督の胸中は複雑である。だが、岡山県から有望な選手やプロ選手を輩出する思いは同じである。山田もプロ志望であり、「トップリーグを経験してきた宇田さんの指摘は絶対に合っています。そこを自分の中で落とし込み、どんどん教え手もらいながら日々成長していきたいです」と素晴らしい環境で育まれている。
新人インカレでの岡山商科大学は予選リーグから参戦しており、勝っても負けても3試合が約束されている。仙台大学戦を終え、となりのコートで行われていた東海大学vs大阪学院大学を一緒に見ながらのインタビューだった。「同じ1敗同士ですね」という次戦は、大阪学院大学に終始リードされたまま逃げ切られ、同じく黒星スタートとなった東海大学と対戦。サイズ感に対する印象は「大人と子ども」と苦笑い。だが、仙台大学戦で露わになった課題に対し、「通用していた部分は40分間の中でなるべく長く続くようにし、逆にできなかった部分は自分たちの今後につなげられるようにしていきたいです」と宇田監督は言い、すべてを糧にすれば良い。今年の岡山商科大学は1〜2年生が主力であり、「彼らがこの大会の経験をどう活かしてくれるか。もちろん課題を突き詰めていかなければなりませんが、選手たち自身がもっとうまくなりたい、勝ちたいという思いで改善しておくことが本当に必要になります」と主体性を伸ばしていく。
文・写真 泉誠一