今夏のインターハイは北海道・札幌市でおこなわれる。その出場校が、続々と決まってきている。全国的に「激戦区」と呼ばれる福岡県も、その出場校が決まった。
と、ここで私事を少し。
最近 ── といっても、ここ10年くらいだが ── “福岡づいて” いる。福岡大学附属大濠のムックを制作したのが2016年。井上宗一郎(サンロッカーズ渋谷)が2年生のときだった。2020年には福岡第一の井手口孝コーチ著の『走らんか!』(竹書房)の構成・編集をお手伝いさせていただいた。そして7月にはベースボール・マガジン社から「バスケ王国・福岡を歩く」(仮題)というムックが発刊され、その制作が今、佳境を迎えている。その締めが、他ならぬインターハイ・福岡県予選だったというわけである。
結果はご存知かもしれないが、男子は福岡第一が、女子は精華女子が、それぞれ優勝し、北海道インターハイ出場を決めた。しかしその結果に関わらず、試合後のコーチの言葉には明暗がくっきりと分かれていた。
たったひとつのインターハイ出場権を得ても
福岡第一は、県大会の1回戦から福岡大学附属大濠との決勝戦まで、オール100点ゲームで優勝して見せた。しかし、決勝戦後の井手口コーチの表情は、どこか浮かない。ライバルとの真剣勝負に疲弊したところもあるだろうが、それだけでもなさそうだ。
「100点を取ったことは、もうどうでもいいんです。ただ80点以上取られたことが駄目ですね。特にガード陣がもう1ローテーションぐらい頑張らないと……#76 山口(瑛司)がちょっと足を痛めているところはあったんだけども、それでも山口と #17 崎濱(秀斗)のローテーションがちょっと足りないかな」
直前には2人を「ようやくキャプテンらしく、ガードらしくなってきたかな」と前向きなコメントをしていた。しかし全国の頂点を目指すチームとしては、モットーのひとつである「堅守」を、全国レベルでもあるライバルに打ち破られたことで、簡単には喜べない、大きな課題を残したということだろう。
「今回は(インターハイの出場権1枠を賭けた)勝負だったから留学生を #51 サー(・シェッハ)の出番が多くなったけれども、インターハイでは1年生の留学生の出番も多くなると思います。そうなったときにどういうオフェンスをするのか、どういうディフェンスをするのか、もう一回整理して臨まなければいけないでしょうね」