ライバルに対し、芦田は「ディフェンスがすごく上手くて、スリーポイントもすごく上手い選手。チームとしては勝てましたが、個人としては悔しい結果になった感じなので、またリベンジしたいです」と次の戦いを楽しみにする。中村も、「芦田君はシュートがすごく上手な選手で、ディフェンスもハードにしてくるので、すごく良い刺激をもらっています」と同じ特徴を挙げた。そんな2人は、中学時代から幾度となく試合をしてきた良きライバルでもある。
3回戦に駒を進めた青山学院大学にとって、山梨学院大学のような1部リーグのチームと公式戦で試合ができるのもこの新人戦が最後になる。「次の東海大学に勝てば、(8強による順位決定戦が行われるため)最終日まで試合を続けることができます。試合経験を少しでも多く積んで、次のリーグ戦に臨めるように戦っていきたいです」と芦田が言うように、1年生にとってこのチャンスは逃せない。
スプリングトーナメントから先発で起用されている #12 広瀬洸生も、福岡大学附属大濠高校出身のルーキーだ。次戦(6月8日)の相手、東海大学には福岡第一高校出身の轟琉維がいる。2回戦で一橋大学を137-30と圧倒して勝ち上がった。その結果を踏まえ、芦田は「相手のことよりも自分たちが練習してきたことを出すだけだと思っています。だからこそ、試合の入りからしっかりと力を発揮できるようにしたいです」と準備し、1部チームと数多く戦う権利をつかみに行く。
2部からスタートとなった芦田が青山学院大学を選んだ理由は、「日本人だけのチームであり、トレーニング面でしっかりとした指導をしてもらえるから」だそうだ。
「自分のプレーの幅も広げることができると思って入学しました。高校まではスリーポイントをメインとしていましたが、それだけではなくドライブもできるように練習をがんばっています。いろんなことに挑戦できる青学を選んで良かったです」
新人戦では過去9度の優勝を数え、3番目に多い青山学院大学。しかし、最後に優勝したのは7年前であり、そのときのMVPは納見悠仁(川崎ブレイブサンダース)だった。かつての栄光に対し、芦田は「日本人選手だけのチームであり、それこそ比江島(慎)さん(宇都宮ブレックス)がいた頃は、圧倒的な強さがあったというイメージがあります」という記憶を上書きすべく、彼らが新たな歴史を作っていくことに期待したい。
文・写真 泉誠一