目標は「5冠」全部の大会で優勝すること
関東大学スプリングトーナメント2023は日本体育大学が75-58で白鷗大学を破り、21年ぶり21回目の優勝に輝いた。昨年の関東大学新人戦を制した3年生の #35 ムトンボ ジャンピエールを軸に、#21 月岡煕、#7 西部秀馬、#10 早田流星、#41 石川響太郎ら2年生が日本体育大学の主力となる。中部第一高校出身のルーキー、#4 小澤飛悠が先発を任された。
「若さが特徴のチーム」というのは、キャプテンの#5 永野雄大である。永野自身はコートに立つ時間帯こそ少ないが、「自分が出たときに何かチームに良い影響を与えるプレーをしないと、キャプテンとしても4年生としてもチームを引っ張っていけない」というプレーを要所で見せる。
新チームとなったときに掲げた目標は「トーナメントだけではなく、それ以外の大会も全部優勝すること、5冠(トーナメント、新人戦、新人インカレ、リーグ戦、インカレ)です。なので、優勝しか見えてないです」と永野は述べ、チーム全員で高みを目指す。下級生主体のチームに対し、キャプテンとして明確な方針を示していた。
「1人のプレーによる責任ではなく、それを分散させようと思っています。誰かに責任を負わせるのではなく、1個のプレーで何かミスが起きても、それは全員の責任。矢印を他に向けることなく、自分に向けることを意識させています」
主力となる後輩たちがのびのびとプレーできる環境づくりに、永野は注力する。
「何かあったときの尻拭いとして、本当は自分がコート上で活躍できればいいですが、今は後輩たちがプレーすることでうまくチームも回っています。ヘッドダウンするところがあれば、陰で支えてあげたいです」
小川麻斗が抜けたからこそ芽生えた責任感
準決勝の専修大学戦では24点を挙げたシックスマンの #9 大森尊之。決勝では第4クォーター開始早々、白鷗大学に逆転された直後、2本の3ポイントシュートを含む4連続得点で引き離し、14点の活躍。藤田将弘監督は「秘密兵器」と言い、昨年の新人戦優勝時はロスターに入っておらず、リーグ戦でもさほど出場機会はなかった。
西部は新人戦優勝時と比較し、「昨年はジャンピ(エール)さんに頼ってしまった部分がありましたが、今大会はベンチから出てくるメンバーも含めて、みんなでしっかりと戦って勝つことができました。そこが良かったです」と成長を実感する。西部自身もコート上で声を出し、リーダーシップを発揮していた。