千葉ジェッツから学ぶチーム全員で戦う意識の高さ
千葉ジェッツの練習生でもある佐藤は3月末から東洋大学の練習に戻り、「学んだことを少しでもチームに還元しようとコミュニケーションを取ってきました」。トーナメント敗退とともに、ふたたび千葉Jの練習生に戻る。千葉Jのジョン・パトリックヘッドコーチは以前、「小川麻斗と高橋克美(龍谷大学/特別指定選手)、そして佐藤星来も練習で一生懸命がんばっている」とその名を挙げていた。プロの練習に参加してきた経験について話題を振ると、佐藤は目を輝かせる。
「もう本当に全てが自分にとってプラスであり、勉強になることしかなかったです。特にポイントガード陣の富樫勇樹さんや西村文男さん、麻斗さんからも自分がやらなければならない役割がすごく吸収できています。今、東洋大学で求められているのは、やっぱり得点を取りに行くこと。それと、ミスは恐れてはいけないですが、やっぱりポイントガードとしてミスをしないように、丁寧にバスケを組み立てることが大事になります」
神奈川大学戦でも千葉Jで学んだプレーを出せている時間帯もあったが、「やっぱりチームを勝利に導くことが大前提なので、その力をもっとつけていかなければならないです」と佐藤は考え、これからチャンピオンシップに突入する千葉Jで学ぶことはさらに多い。
「千葉ジェッツはチーム全員で戦う意識がとても強くて、チームメイト同士やスタッフとのコミュニケーションの取り方がすごく勉強になります。ジョンさんからプレーに関しては、『どんどんリングにアタックして得点を取りに行けば、相手のディフェンスも止めにくくなる』と言われました。そこをもっと磨いていって、いずれジェッツの一員になれればいいなと思っています」
小川や高橋、米山ジャバ偉生と同世代が多い。その中でも同じポジションの「麻人さんはたくさんコミュニケーションを取ってくれて、自分の課題を指摘してくれることもあれば、自分ができないことをに対してアドバイスしてくれます。とても良い存在です」と感謝する。もう一人、東洋大学の先輩であるラシード ファラーズの存在も大きい。
「ラシードさんは本当に明るい性格なので、自分がちょっと緊張していたり、5on5など練習中に分からないことがあれば、ラシードさんだけではないですが、チーム全員が声をかけてくれます。本当に素晴らしいチームです」
佐藤は現在3年生であり、今年の結果次第では最後の年に1部リーグでプレーするチャンスがある。「1部昇格が絶対条件。それが今年のチーム目標です。個人としても、ここでしっかりチームを1部に上げて、自分が勝利に導けるポイントガードであるということを証明していきたいです」。練習生ではあるが、一つひとつの行動や振る舞いもまた、千葉Jを優勝へ導くひとつのピースとなる。
文・写真 泉誠一