「チームのリーダーとして引っ張ることがまだまだできていなかった」
関東大学スプリングトーナメント(※以下トーナメント)は、4回戦から1部リーグのチームが登場。しかし、新チームとしてスタートしたばかりの春。はじめての公式戦であり、特に初戦は落とし穴があるものだ。関東学院大学が拓殖大学に61-59、順天堂大学も中央大学に76-74と、2部リーグのチームが競り勝って16強入りを果たした。
昨年は2部リーグで3位となった東洋大学。入替戦へ進むも早稲田大学に敗れ、今年も1部昇格が目標となる。1年に1度、フルメンバーで上位リーグに立ち向かえる機会(※1・2年生は新人戦でふたたびチャンスがある)。東洋大学は毎年のように1部リーグのチームと対戦し、入替戦でもそのレベルを体感し続けてきた。今年のトーナメントでは神奈川大学と対戦。前半は強度の高いディフェンスからリバウンドをもぎ取り、走ってオフェンスにつなげて34-28とリードを奪った。
「前半はとても良い形で入れたことで気の緩みではないですが、やっぱりそこの経験や気持ちの準備の部分で、1部の神奈川大学よりもちょっと劣っていたのかなと思います」
ポイントガードの佐藤星来は、1部との差を痛感することとなった第3クォーター。その10分間はたった4点に抑えられ、38-50とゲームはひっくり返されてしまった。「必ず勝つつもりで準備し、相手が決まったときからスイッチを入れてがんばってきたんですけど……」という佐藤だったが、広げられた差を縮められずに60-73で敗退。「どんどんゴールにアタックして倒すという勢いを、もっと一人ひとりが持っていなければいけなかったですが、そこが足りなかったです。自分がチームのリーダーとして引っ張ることがまだまだできていなかったです」と敗れた責任を感じていた。
福岡第一高校からヌンビ マトゥンガマイクが入学し、待望のビッグマンが加わった。佐藤にとっても、「安定したリバウンドがいることで、アウトサイド陣は気持ちよくシュートを打てています。僕もハンドラーとして、ピック&ロールを使うときにもたくさんのピックをかけてくれたり、しっかり合わせの動きだったり、自分自身の仕事に没頭してくれるので、そこはとても助かっています」と新たなチームメイトを歓迎する。新たな戦力を活かすため、さらにチームを熟成させるためにも、まだまだ時間が必要である。
13点差で神奈川大学には及ばなかった。「でも、1部のチームを相手に通用することはいっぱいありました。他のチームメイトも悪いところばかりではなく、全然良いところもたくさんありました。この経験をしっかりと活かして、次はもう絶対に勝つんだという気持ちで挑んでいきたいです」と佐藤が言うように、得るものも多かった。