「陽の当たらない3部かもしれませんが、地道にプレーし続けることが今のベストであり、やるべきこと」
埼玉の強豪・正智深谷高校出身、1年次から主力として活躍。3年次にはキャプテンとしてチームを引っ張り、ウインターカップではベスト8の好成績を収めた。2年上の先輩には仙台89ERSの渡部琉(仙台89ERS)がおり、太田自身もプロ志望である。あえて3部リーグに属する國學院大学へ進んだのは、名伯楽・佐々木三男氏の存在があった。しかし、すでにチームから離れてしまい、自暴自棄になりかけた時期もあったそうだ。
「メディアを見れば、高校時代は自分と同じフィールドで戦った相手やチームメイトがどんどん活躍しているのに、僕は3部なので全然注目もされない。正直、そういう葛藤もありました。でも、絶対にプロへ行きたい気持ちは強く持っています。ライバルたちが1部で活躍するのは悔しいし、陽の当たらない3部かもしれませんが、地道にプレーし続けることが今のベストであり、やるべきことだと思っています」
3部リーグの選手がプロに行けないことはないが、先人たちを見れば、目に止まるためにもスタッツを残すことが先決だと言える。太田自身も3年生となり、最上級生との差も1学年しかない今年は、「しっかりと得点しつつ、アシストとリバウンドにもこだわって、トリプルダブルをいつも心がけていきます」と高い目標を掲げている。「もちろん、まずはチームの勝利であり、2部へ昇格することが大前提になります。そこは迷わずに、しっかりと遂行していきたいです」と話すとおり、チームの成績と選手自身のパフォーマンス向上は、どちらも成長できる相乗効果がある。
「僕はもう1部リーグでプレーする機会はないですが、でも地道に4年間、今の環境でしっかりトレーニングと技術向上をしていくだけだと思っています。このような大きな舞台で試合ができるのも1年間で1回限り。自分はプロに行きたいと思っており、スカウトが見ている中でも自分らしさを表現することが、今年は不甲斐ない形で終わってしまいました。でも、まだ来年もあるので、まずはチームの勝利が一番ですが、その後に自分の活躍というか、チームを引っ張る姿も見せられるようにしたいです」
文・写真 泉誠一