「バスケが好きという気持ちは変わってません。でも、今後はバスケを通してやりたいことが大きくなっていくと思っています。人とのつながりもそうだし、自分たちを見てくれている小学生などにバスケって楽しいな、と思ってもらえるようなことをしたい気持ちが今はデカいです。バスケが大好きだからこそ、もっとまわりも巻き込んでいきたいです」
東海大学はシーガルズ・ジュニアというスクールを開き、地元の小学生を中心にバスケを教える機会がある。また、ホームゲームを行った影響か、インカレではチームグッズを持って応援するファンも多く目にすることができた。小玉もその変化をコートから感じており、「子どもたちのがんばれという声援が力になったし、ヘッドバンドしてる子もいました。やっぱりホームゲームを開催できたのは大きかったですね。地域密着を感じましたし、逆に言えば普通に歩いていても見られているので、自分たちもちゃんとしないといけないと気が引き締まります。まだプロではないですが、ちゃんとした行動を取らなければいけないことが分かりました」というのも、プロ予備軍には必要な準備期間である。
学生バスケはインカレ優勝で終止符を打ったが、小学生のときから変わらぬプロ選手になる夢を追いかける。「できるところまで挑戦し続けたい」という小玉のバスケ人生は、まだまだ終わらない。身長こそ185cmで止まってしまったが、仲間たちへの思いやバスケに対する情熱をたっぷり吸って気持ちはどんどんビッグになっている。
「ここまでやってきたことは間違いじゃなかったし、そのプロセスがやっぱり大事でした。今年は去年よりも運動量が多い練習をたくさんしてきましたし、去年ほど能力がなくても勝てるぞっていうのをみんなに証明できたと思っています。だからこそ、来年はもっとできるからと後輩たちには伝えました」
東海大学名物、一人ひとりが自らの意見を発する最後の円陣は、この言葉で締めくくったそうだ。
「うまいもん食うぞっ!」
第74回全日本大学バスケットボール選手権大会・東海大学 #4 小玉大智
小学生から変わらぬスタイルを貫く小さなビッグマン
前編 「人思いで仲間思い」「自己犠牲を一番できる選手」
中編 目指すは「100キロあっても動けるぞっ」!?
後編 「バスケが大好きだからこそ、もっとまわりも巻き込んでいきたい」
文・写真 泉誠一