「去年は悔しい負け方をしたので先輩たちの分もがんばらないと、という思いもありました。自分が勝敗にかかわるほどのプレータイムがあるわけではないですが、その中でもチームのために何ができるかということをずっと考えてきたので、やってきて良かったなと思います。今はうれしい気持ちよりも、安心できたというのが一番です」
キャプテンの #24 松崎裕樹は、「チームにとってなくてはならない存在」と小玉を表現する。「チームが落ちているときもずっと声をかけていましたし、自己犠牲を一番できる選手。プレータイムに関係なく、ずっとベンチでも声を出していますし、誰彼関係なくダメ出ししてくれる。そういうことをずっと言い続けてくれました」とキャプテンと一緒にチームを支えてきた。陸川ヘッドコーチも「人思いであり、仲間思い。自分を犠牲にしても味方を生かし、そういう泥臭いところを本当に一生懸命やってくれる。やっぱりいなくては困る選手ですね」と小玉の人柄を言い表した。
インカレを優勝したことで安心できた小玉。裏を返せば、「下級生が勢いある分、逆にそれが悪い方向に行くことも今シーズンはあったので、そこで自分たち4年生がどうするかを考えたり、自分の調子のことも考えてしまったり、1個1個が気になっちゃって寝られなかったです」という不安を抱えながら戦っていた。
ベンチでは誰よりも声を出して仲間たちを鼓舞し、コートに入れば誰よりもハッスルし、1本でもシュートを決めればチームがドッと沸いて活気づける。日本一になった東海大学にとって欠かせないピースだったことを、ラストイヤーに自ら証明してみせた。
中編:目指すは「100キロあっても動けるぞっ」!? へ続く
文・写真 泉誠一