女子日本代表を経験して見つかった課題を克服できる環境
今春、桜花学園を卒業したばかりの朝比奈あずさ(筑波大学1年)が、女子日本代表候補に初選出された。2度行われた国内での強化試合に出場。トルコとラトビアを相手にプレータイムを与えられ、素晴らしい経験を積むことができた。筑波大学の一員としてはじめての臨んだインカレは、準決勝でチャンピオンチームの東京医療保健大学に大敗を喫し、ラストゲームの3位決定戦でも愛知学泉大学に敗れ、4位に終わった。朝比奈は平均15.8点、7.5リバウンド、1.3ブロックを決め、センターとしては及第点の役割を果たす。その活躍が評価され、優秀選手賞に選ばれた。
女子日本代表候補として、日本最高峰のチームに加わった朝比奈にとって、ルーキーシーズンを迎えたばかりの大学バスケは物足りなさを感じるのではないかと不安を抱く。高校時代は常に日本一となって圧倒してきた。しかし、東京医療保健大学に59-104と大差で敗れ、「これが結果であり、今の東京医療保健大学との差だと思うのでこの現実をしっかりと受け止めたいです」と真摯に向き合う。
関東大学女子リーグ戦では、75-71で東京医療保健大学に一矢報いることができた。朝比奈は18点、10リバウンドの活躍。「いつも通りのバスケができれば、行けるとは思っていたんですけど…」と自信はあった。しかし、東京医療保健大学はリーグ戦とは違うディフェンスの強度で向かってきた。「それに対して自分たちが対応しきれなかったところが、この差につながってしまったかなと思います」とさまざまな課題を見つける機会とし、前を向いた。
女子日本代表はもちろん、現代バスケはどのポジションでも3ポイントシュートが求められる。1本しか決められなかったが、積極的に8本を放った。体格で上回る留学生に苦戦し、ビッグマンがいないチームはダブルチーム、トリプルチームで185cmの朝比奈をつぶしに来る。
「外のシュートの確率がまだ悪かったですし、ディフェンスでももっと体を張ってできる部分があると思いました。それは代表を経験したことで、自分にとって足りない部分だと感じています。大学でも同じように課題を克服できる環境があるからこそ、もっとレベルアップしていきたいです」
準決勝の東京医療保健大学戦ではチームハイの12点を挙げた朝比奈だが、序盤からファウルトラブルに苦しむ。マッチアップするジョシュア ンフォノボテミトぺには29点、14リバウンドを許した。「強さもありますし、リバウンドに対しての執着心はやっぱり4年生としてチームを支えている方だと思いました」と圧倒される。朝比奈も「4年生と同じくらいの気持ちでリバウンドを取ろうとしていたんですけど、そこが足りなかったかなと思います」と反省点を挙げ、高校バスケとは違う3年の差が大きいことを実感した。