熱戦続きだった今年のインカレが終わった。決勝は昨年と同じく白鷗大学vs東海大学の対決。「東海大学の気迫や昨年の悔しい思いが乗っかったゲームだったと思います」と白鷗大学の網野友雄監督は相手を称える。東海大学のキャプテン #24 松崎裕樹は、「ゲームの入りから最後まで自分たちが何をやるべきかを、コートに立っている選手もベンチメンバーもずっとしゃべり続けて、気迫で負けなかったことが今日の勝因でした」と同じく、 “気迫” というキーワードで試合を振り返った。
その気迫に押されるように、白鷗大学にとっては第1クォーターに2点しか奪えなかったことが悔やまれる。「昨日までは思い切り良く打っていたシュートが、少し自分たちで躊躇してしまって思い切りよく打たせられなかった」と網野監督は敗戦の弁を述べる。2-15からはじまったが最後は3点差まで追い上げ、見応えのある決勝だった。
「素晴らしいファイトでした。スタートの5人はもちろん、それ以外のベンチに入った15名、その後ろで応援してくれた他のメンバーも含めて自分たちらしく、粘り強く最後まで戦った姿勢を誇りに思います。本来の力を発揮させられなかった自分の未熟さも感じています。そこをきちんと勉強し、この敗戦を糧に自分自身も成長して、次の機会には出だしから力を発揮できるようにまたがんばっていきたいです」(網野監督)
54-51で逃げ切った東海大学が、2年ぶり7度目の日本一に輝いた。これまでの戦いは劣勢から巻き返し、粘り勝ってきたのが今年の東海大学である。しかし決勝だけは、「我々が先行逃げ切りというはじめてのケースでした」と陸川章監督も驚くレアケース。どんな状況でもコートに中にいる選手たちが慌てることなく、「走り続けてくれたことで、白鷗大学が追い上げてきてもキャプテン筆頭に落ち着いてゲームを運ぶことができました。最後にきっちりと逃げ切ることができた選手たちを称えたいです」と労いの言葉をかけた。
「リーグ戦で白鷗大学に負けたときから準備してきたことを徹底できたゲームでした」という松崎は、52-73で完敗した10月29日からリベンジへの思いを募らす。勝った方が関東大学リーグ優勝に近づく大一番に敗れ、関東3位に終わった悔しさを糧として取り組んできたことが、インカレ最後の試合で最高の結果をもたらした。
昨年優勝を逃した悔しさは、同じ舞台でしか返せないとチームを引っ張る松崎の気迫は、初戦の神奈川大学戦から感じられていた。これまで以上にゴールへアタックし、ボールへの執着心を見せてチームを鼓舞する。同じく4年生のスタメン、#15 島谷怜も決勝では強気なプレーで次々と速攻を繰り出し、「僕たちにとっても想定外のプランというぐらい入りが良かったです」。白鷗大学に追われる展開も想定内であり、「大丈夫、大丈夫と声がけをしながら粘り強く戦うことができ、本当に僕たちらしさを出せた試合になりました」と島谷は言い、集大成で勝ち切った。