「みんなで楽しんでエネルギーを持って試合ができました」岡本美優
コーチから長く離れていた日髙監督が、東京医療保健大学の練習にはじめて参加したのは今年2月。そこで驚かされたのは、「このチームはインカレ5連覇をしているんだ」という現状をはじめて知った。同時に、「6連覇しなければいけないのか」という高いハードルが目の前に現れた。しかしこの難問をチャンスと捉え、当然6連覇を目指すとともに、もうひとつ目標を掲げる。
「せっかくやるのであれば、皇后杯のファイナルラウンドまで行こう」
12月11日にインカレ6連覇を達成。その1週間前の12月4日、シャンソン化粧品 シャンソンVマジックに76-73で競り勝ち、ファイナルラウンド進出決定。2つの目標を達成し、次なる戦いは12月15日(木)17時より富士通レッドウェーブと対戦。富士通には岡田英里、赤木里帆のガード陣、今シーズンは先発を任されているセンターの藤本愛妃がおり、OGとの対戦が実現する。
4年生たちにとっては、いずれも一緒に日本一になった仲間との再会。インカレMVPの #8 ジョシュア ンフォノボテミトぺは、「愛妃さんとは1年生のときに一緒にプレーしてきたので、4年間で経験してきたこと、特にディフェンスをこの試合では見せたいです」と成長した姿を先輩にぶつける戦いを楽しみにしている。伊森も「インカレがひとつの節目だと思っていましたが、皇后杯があるのでまだこのチームで続けられます。本当にこれが学生生活でラストの大会になるので、自分が4年間努力してきたことにプライド持って、自分の役割を全うできたらいいなと思います」という大学チャンピオンが、さらなる高い山に挑む。東京医療保健大学の魅力を発揮していたインカレの戦いぶりに、岡本は自信を持ってこう話していた。
「今大会を通してチームみんなで楽しんで、エネルギーを持って試合ができました。試合に出ている人も、出ていない人もみんながエネルギーを持って楽しくバスケをしていた医療のバスケを見て、バスケットっておもしろいなと多くの方に思ってもらえた大会だったなと思います」
ワクワクで魅了する東京医療保健大学が、二つ目の日本一へ向けてどこまで通用するのか期待しかない。
文・写真 泉誠一