Wリーグ勢を相手に49点を挙げたことよりも、2点差で敗れた悔しさの方が大きかった皇后杯
インカレはグループステージを終え、8つのブロックを勝ち上がった8チームが加わり、本格的なトーナメントがはじまる。皇后杯に出場した武庫川大学と大阪体育大学にとっては、タフスケジュールとなった。その逆境を乗り越えた両チームが、2連勝でグループステージ突破を果たしたのは見事である。
優勝2回、準優勝8回を誇る大阪体育大学のキャプテン #4 大吉まなは、「コンディションの持って行き方が難しかったです」と吐露する。12月3日に東京羽田ヴィッキーズと対戦。88-90、惜しくも2点差で敗れたが、この試合で大吉は49点、11リバウンドと大活躍を見せた。Wリーグとの対戦を経験し、いろんな思いを抱く。49点を決めた充実感よりも、たった2点差で勝ちきれず、「やっぱり悔しさの方が大きかったです」。
敗戦の翌日に東京へ移動し、12月5日にインカレ初戦を迎えた。体だけではなく、金星を逃した悔しさによるメンタル面も含めた準備期間が本来は必要である。3年前は、少し早めに入って体育館を借りながら調整してきた。コロナ禍となった2年間も前日入りはなく、今年は異例のスケジュールである。「個人個人がしっかりコンディションを整え、インカレに向けて全員が体も心も持ってくることができました」という大吉の言葉どおり、日本福祉大学との初戦を90-72で白星スタートを切った。
18点差をつけて勝利したが、出場したのは8人だけ。大吉と #7 西川奈津子は40分間コートに立ち続ける。「ルーズボールとか、オフェンスリバウンドを相手に取られてしまいました」と大吉が言うように波に乗りきれなかった。2戦目の北陸大学戦も同様な立ち上がりとなる。さらに試合開始早々、大吉は2つのオフェンスファウルを取られてベンチに下がる。村上なおみ監督から「もう絶対にファールするな」と釘を刺され、すぐさまコートに戻ってきた。2本連続3ポイントシュートを決めた大吉の活躍でチームは落ち着き、リズムに乗った。
「今日はチーム全員で戦うことができて、課題もたくさん出たんですけど、明日に向かって全員でまた気持ちを引き締めることができた試合になりました」
シュート試投数は相手の方が多く、オフェンスリバウンドも21本許したが80-37で快勝し、2連勝でグループステージ突破。ベンチメンバー全員を起用し、大吉の出場時間は17分29秒。ファウルも最初の2つだけに抑えて戦い抜いた。これから続く負けられない本戦へ向け、主力選手たちの体力を温存できたのも大きい。